資料4

開発課題名「光バイオプシー診断における超高速処理ソフトウェアの開発」

(平成21年度採択:ソフトウェア開発プログラム)

チームリーダー : 大林 康二【北里大学大学院医療系研究科 教授】
中核機関 : 北里大学
参画機関 :  (株)システムハウス
T.開発の概要
 これまでに3次元の立体光断層画像を動画で見ることができる計測速度の超高速光コムOCTの「生体計測用・超侵達度光断層撮像技術」を開発した。本機器では、計測終了後にデータを解析して3次元動画を製作していた。実際の光バイオプシーの診断では実時間の3次元動画の表示が必要なため、本課題では超高速処理を可能にするソフトウェアを開発する。これにより時間軸を含めた超高速実時間4次元光断層画像表示を実現する。
U.中間評価における評価項目
(1)要求分析および仕様分析
 要求仕様およびシステム仕様を確定し、要求定義書、システム定義書を完成させた。要求定義書は19ページ、システム定義書は61ページである。
(2)分散処理ソフトウェアの開発
 基本設計書(66ページ)、詳細設計書(20ページ、ファイルフォーマット定義31ページ)を完成させ、FPGA上での動作、同時サンプリング、データ処理等につき性能を満たすソフトウェアを完成させた。アナログ入力については、検討の結果、1秒間に12体積の表示のためには1MHzで十分であり、10MHzで最終目標仕様を満たすことを実証した。
(3)3次元表示プログラムの開発
 基本設計書(66ページ)、詳細設計書(28ページ、ファイルフォーマット定義31ページ)を完成させ、スライシング表示、ハードウェアでの動作条件を満たすソフトウェアを完成させた。1ボリュームをスライス表示する時間をおよそ2秒程度としたが、さらに最適化し、高速化を図っている。
V.評 価
 本事業の「要素技術プログラム」で開発した、超高速で立体的断層画像を取得する光コムに用いる画像処理ソフトウェアの開発が目標である。開発は順調に進捗しており、主要な数値目標も達成している。特にソフトウェアの開発に当たり重要な仕様書等ドキュメント類の作成に当たり、装置の開発者を含め、関係者が情報を共有する仕組みを作り、忠実に実行している点について高く評価したい。リアルタイム観察におけるソフトウェアの性能実証がカギになると思われるが、今後、ユーザー評価を行って着実にデータを積み重ね、早期の実用化につながることを期待し、積極的に開発を推進すべきである[S]。


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