資料4

開発課題名「HiCEPピークデータベースの開発」

(平成21年度採択:ソフトウェア開発プログラム)

チームリーダー : 安倍 真澄【(独)放射線医学総合研究所重粒子医科学センター グループリーダー】
中核機関 : (独)放射線医学総合研究所
参画機関 :  (株)メイズ
T.開発の概要
 未知のものも含む転写物の定量観察により、ゲノム情報の有無に係わらず全生物の網羅的遺伝子発現解析を可能にした方法(HiCEP法)を確立し、これまでその微量化、自動反応プロトタイプ機の作製など、高度化に取り組んで来た。今回、HiCEP解析を行う多くのユーザーが、解析後、分取ステップなしに効率的にピークの遺伝子情報を入手できるように、ピーク配列のデータベース化およびその公開システムの構築を目指す。
U.中間評価における評価項目
(1)HiCEPピークおよびシーケンスデータ取得
 HiCEP法でアダプターが付加されたDNA断片集団の検討を行い、約400bpリード/フラグメントを取得することで、キーとなる内部配列の両端それぞれ2塩基の同定が容易となり、データベースが作成できた。このようにシーケンス方法を決定し、1種類の生物種のデータを取得できている。
(2)シーケンス−ピーク対応ソフトウェアの開発
 方式の検討を行い、要求仕様書11ページを完成した。4項目の評価を実施し、約50万リードで約1万のピークに対してシーケンシング配列を対応付けることに成功し、目標をほぼ達成した。プロトタイプ版の機能設計書を91ページ作成した。
V.評 価
 本事業「機器開発プログラム」において開発された遺伝子発現解析(HiCEP)装置により得られるデータを判別するためのデータベースの開発を目的としている。開発しているソフトウェアは、クラスタリング、アセンブルソフトなど既存製品やモジュールの組み合わせではあるがそれらをうまく活用しており、また、ピークマッチングは独自に開発改良を進め、最低限必要と考えられる遺伝子を70%程度判別できるレベルを達成しており、順調に進捗していると判断する。今後は開発したデータベースに、プロトタイプ機からの計測データを取り込みながら、本成果を早期に実用化できるよう、着実に開発を推進すべきである。さらに、DNAオートシーケンサと比較しても迅速・簡便に発現量の異なる遺伝子を特定できる点をユーザー層に強くアピールできるように、関連機器・試薬メーカとの連携強化を期待する[A]。


前のページに戻る