資料4

開発課題名「高出力・広帯域波長可変レーザの開発」

(平成20年度採択:要素技術プログラム【一般領域】)

チームリーダー : 室 清文【千葉大学大学院 理学研究科 教授】
中核機関 : 千葉大学
参画機関 :  (なし)
T.開発の概要
 光ファイバー増幅器励起用に開発された1Wクラスの高出力半導体レーザをベースに、新しい外部共振器構成により、高出力・高コヒーレントで広帯域に波長チューニングが可能な小型レーザ光源を開発する。さらに、光コヒーレンストモグラフィー、蛍光バイオイメージング、高感度分子計測への応用に向け、高速掃引技術、波長変換技術を開発する。
U.中間評価における評価項目
(1)広帯域波長同調要素技術の確立
 980nm帯のレーザーチップについて、100nm以上の波長可変帯域の実証、モードホップフリー波長同調の実証を行った。導波モードの閉じこめと端面傾斜角を最適化することでモード反射を0.004%以下に低減した。広帯域波長同調性については、リング型外部共振器の特性を評価し、100nm以上の広帯域波長同調性を確認した。
(2)高出力化技術の確立
 3μm幅のナローストライプチップにおいて、Littrow型配置では目標値の500mWをクリアした。連続波長チューニングについては未達である。一方、Littman配置において、200mWの出力で安定動作を確認している。これらを踏まえ、980nm曲がり導波路チップを用いた外部共振器型波長可変レーザに、多重量子井戸飽和吸収ミラーを組込、高周波電流重畳と組み合わせてレーザを試作し、100mWの平均出力で700MHzのモードロックを確認した。
V.評価
 連続波長可変かつ高出力半導体レーザの開発を目指し、曲がり導波路構造の発光半導体を外部共振器レーザとして最適化し、モードホップの無い30nmを超える波長可変レーザを試作した。出力も300mWと高出力化し、中間目標を十分達成したと評価できる。今後、より具体的なニーズを踏まえ、実効性を高めた上で実用化を視野に入れた開発とすることに留意しつつ、開発を着実に推進すべきである。[A]


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