資料4

開発課題名「半導体バイオセンシング技術による1チップゲノム解析」

(平成20年度採択:要素技術プログラム【一般領域】)

チームリーダー : 坂田 利弥【東京大学大学院 工学系研究科 講師】
中核機関 : 東京大学
参画機関 :  (なし)
T.開発の概要
 小型化・集積化電界効果トランジスター上でのDNA複製反応の電気的モニターによりラベルフリーの超並列DNAシーケンシングを実施し、1チップゲノム解析へ発展させうる要素技術となる半導体デバイスを開発する。その実現により、増加するゲノム解析生物の網羅的DNAシーケンシングのみならず、疾病などの個人差に関わる一塩基多型(SNP)解析の高スループット化が飛躍的に促進されると期待される。
U.中間評価における評価項目
(1)検出限界を克服するためのナノ構造ゲートの作製
金ナノ粒子10nmのゲート表面への均一分散が可能となり、ナノ構造化電界効果デバイスの作製に成功した。また、直径数nmのカーボンナノチューブをゲート表面に起立させたナノ構造化電界効果デバイスの作製にも成功した。
(2)ゲート表面でのDNA伸長反応処理技術とその電気測定技術確立
 金ナノ粒子、カーボンナノチューブをゲート表面に導入することにより、センシング部のナノ構造化が可能となった。これにより、約5−10nmのデバイ長内での、ナノ構造を基点として横方向へ伸長したDNA分子の長さの電気的認識を可能にし、目標である50塩基配列決定がほぼ可能となった。
V.評価
 ゲート表面のデバイ長領域にDNAのラテラルな伸長反応を実現したことは評価できる。また、金ナノ粒子法とカーボンナノチューブ法を並行することは開発の精度を高める意味で有用である。達成目標の50塩基のセンシングはできたものの、その分解能とデバイスとしての再現性におよぼす各要因の検討を行う必要がある。
 実用化に向けた、精度の保証、大量サンプルの処理、大量データの処理など、全体的な環境整備を進めつつ、開発を着実に推進すべきである。[A]


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