資料4

開発課題名「ハンディー型全反射蛍光X線元素センサー」

(平成19年度採択:要素技術プログラム【応用領域】)

チームリーダー :  河合 潤 【京都大学 大学院工学研究科 教授】
中核機関 :  京都大学
参画機関 :  なし
T.開発の概要
 片手で持ち運びができる超小型全反射蛍光X線元素センサーを製作し、ICP-MSに匹敵する定量下限濃度を実現する(トレース・アナリシス)。しかもその濃度の分析に必要とされる水溶液の絶対量がわずかでもできるようにすることを目指す(マイクロ・アナリシス)。具体的には遷移金属元素について、サブ・ナノグラム(0.1ng)の絶対定量下限を達成する。そのためにX線光学系とX線発生法に関する開発も行う。
U.中間評価における評価項目
(1)小型高エネルギーX線管の製造技術、X線単色導波路の製造技術
 15kV5WのX線管をメーカーとともに開発し、Cr元素が最も感度がよく、0.1ngの検出下限を達成した。また、最も感度のよい場合には30pgまで検出下限を低下させることに成功している。
(2)X線レンズの製造技術
 X線導波路を開発したことにより10μmの集光を達成した。この結果、遷移金属で検出下限0.1ngを達成し、鉛や砒素など重元素では1ngの検出下限を達成した。
V.評価
 独自の小型装置開発を行っており、目標とするレベルの検出感度を実現している。開発当初の手法から一部X線源について変更を行っているが、発生したX線の単色化の程度と検出下限を定量的に評価し理論的な確認は今後の検討課題である。
 開発は順調に進行しており、当初計画の目標は着実に達成できると思われる。また、要素技術開発ではあるが、既に装置開発がなされており、今後は製品化、市場投入に向けた検討を行いつつ、着実に推進すべきである。[A]


前のページに戻る