資料4

開発課題名「単一細胞内遺伝子発現プロフィール解析システム」

(機器開発プログラム:単一細胞)

チームリーダー :  安倍 真澄 【独立行政法人 放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター グループリーダー】
中核機関 :  独立行政法人 放射線医学総合研究所
参画機関 :  日清紡績 株式会社
株式会社 アステック
T.開発の概要
 HiCEP法は、マイクロアレー法とは原理の異なる遺伝子発現プロフィール技術であり、未知転写物や低発現転写物の網羅的・定量的観察を可能とし、また解析に先立ちシーケンス情報を必要としないため全真核生物の解析を可能とする。本開発では、HiCEP法を基にした単一細胞内における遺伝子発現プロフィール解析システムの構築を行う。これにより、疾患原因遺伝子の検索、モニタリングが必要な全ての分野の状況を一変させることが期待される。
U.中間評価における評価項目
(1)微量HiCEP技術の開発
 反応プロトコールは、10細胞で信頼性の高い解析が可能となり、単一細胞解析も20コピー以上/細胞の転写物であれば解析可能となった。ハイスループット自動反応装置のハードウエアは完成し、10-100細胞相当のRNAによる自動反応が可能となった。
(2)キット化
 従来法によるピークと90%以上が一致し、キットでの反応プロトコールが完成した。チャンバー型反応容器を試作し、従来法によるピークと90%以上が一致した。現在、外部機関に試作キットを提供し、評価を受けているところである。
(3)迅速クローニング
 1塩基の分離能にて分取可能な連続分取装置を作製し、100ピーク/日以上の自動分取となり、5000以上のピークの分取により1塩基の分離能が確認された。
V.評価
 マイクロアレイ法とは異なる原理による遺伝子発現プロフィール技術として、単一細胞内において未知転写物や低発現転写物の網羅的・定量的観察が可能な遺伝子発現プロフィール解析システムの開発は、極めて信頼度の高い疾患原因遺伝子検索・モニタリングシステムとなることが期待される。
 開発は順調に進行しており、当初目標に掲げた成果は達成できると思われる。今後は、国際競争力の向上を目指し、開発装置の普及に向けてユーザーとの共同研究等による装置の評価を行いつつ、着実に推進すべきである。


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