資料4

開発課題名「実験動物用のオプティカルバイオプシーシステムの開発」

(機器開発プログラム:領域特定型
「実験小動物の生体内の代謝の個体レベルでの無・低侵襲的解析、可視化」)

チームリーダー :  佐藤 英俊 【独立行政法人 理化学研究所 光バイオプシー開発研究ユニット ユニットリーダー】
中核機関 :  独立行政法人 理化学研究所
参画機関 :  株式会社相馬光学
東北大学(医、工)
株式会社町田製作所
T.開発の概要
 ラット等の実験小動物の体内まで生きたまま測定できる、超小型のファイバープローブを用いた光バイオプシーシステムを開発する。これにより、生体組織の病態変化をラマン分光計測する分子診断機能と画像計測を結びつけた機能化イメージングを、超早期の診断や病態の解析手法として実験動物により検証する。この光による計測技術と診断手法は、動物にばかりではなく人にも適用でき、臨床応用に直接結びつくものである。
U.中間評価における評価項目
(1)内視鏡スコープ試作機の感度
 ボールレンズ付き中空ファイバーラマンプローブの開発により,ラットの生体スペクトルの測定において目標感度を達成した。
(2)内視鏡スコープ試作機の蛍光除去能力
 ラットの生体内の実験で微弱なラマンシグナルが抽出可能となり、目標を達成した。
(3)聴診器型スコープ試作機の吸収測定波長領域、蛍光測定波長領域
 予定より大きな測定波長領域を設定してプロトタイプ統合化システムを開発し、目標を達成した。
(4)聴診器型スコープ試作機の測定時間
 当初目標とした計測時間内に、複数の波長でイメージ測定とラマン測定が可能となった。
V.評価
 生体内を非侵襲的に観察、診断する技術として、内視鏡型ファイバープローブを用いた光バイオプシーシステムの開発は、実験生物学分野のみならず医療応用においても大きな貢献が期待される。
 装置開発は順調に進行しており、当初目標に掲げた成果は十分に達成できると思われるが、今後は、ラマンスペクトルと生体分子構造変化との関連、さらには疾患における病変進行との関連について、裏付けとなるデータの取得に努めつつ、着実に推進すべきである。


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