資料4

開発課題名「生体計測用・超進達度光断層撮影技術」

(要素技術プログラム)

チームリーダー :  大林 康二 【北里大学大学院 医療系研究科 教授】
中核機関 :  北里大学
参画機関 :  (なし)
T.開発の概要
 近赤外光を用いて無侵襲的に生体の断層画像を超高速、高分解能で測定する光断層撮影技術を開発する。開発では、光源に高速で波長走査が可能な超周期構造回折格子型DBRレーザーを用い、試料光と参照光を干渉させる。干渉信号のフーリエ解析等の信号処理により光路差および反射率が求められ、光走査および波長走査により3次元断層画像が得られる技術を確立する。
U.中間評価における評価項目
(1)超侵達実現のため、OCT干渉計におけるノイズフロア上昇要因の解明と解消法の検討
 ノイズフロア発生源除去及び構成デバイス完全化手段の明確化に成功した。
(2)測定の波長帯域幅拡大による分解能の向上(通信波長帯におけるC+Lバンドの実現)
 LバンドのSSG-DBRモジュール、C+LバンドのSSG-DBRモジュールの開発に成功した。
(3)測定の超高速化のための基本設計と開発
 高速レーザ制御ボードの開発に成功し、制御ボードの基本設計を完了した。
V.評価
 人体への安全性が高い近赤外光を用いることにより、生体の断層画像を無侵襲的に超高速、高分解能で測定する光断層撮影技術は、眼科診断のみならず癌の内視鏡手術においても要求が高い。
 また、これまで開発してきたFD-OCTに加えて、予想外の成果として得られた光増幅によるOCTの高感度化を発展させて、新光源を用いた次世代OCTによる超高速測定を新たに開発することとする。これが完成すれば、立体のビデオ画像が得られ、眼科診断のみならず、内視鏡に組み込むことにより大腸癌の診断、手術の同時操作が可能となることが期待される。「生体計測用・超侵達度光断層撮影技術」の開発は順調に進行し、要素技術の開発ではあるが、眼科と連携して、既に緑内障の診断も可能な機器が開発されつつある。今後は、早期の製品化を目指して、これまで以上に積極的に推進すべきである。


前のページに戻る