資料4

開発課題名「超高速バイオナノスコープの開発」

(機器開発プログラム:領域特定型「生体内・細胞内の生体高分子の高分解能動態解析
(原子・分子レベル、局所・3次元解析)」)

チームリーダー :  江藤 剛治 【近畿大学 理工学部 教授】
中核機関 :  近畿大学
参画機関 :  独立行政法人 理化学研究所
財団法人 NHKエンジニアリングサービス
オリンパス株式会社
T.開発の概要
 蛋白質の細胞内での急激な構造変化やイオンチャンネルのイオン放出時の瞬間的開閉機構のような細胞内のマイクロ秒スケール現象が観察できるようになれば、細胞を生かしたまま様々な現象を解明することができる。そこで1千万枚/秒で撮影できる超高速度と、光子を感知できるレベルの超高感度を併せ持つCCD型撮像素子を備える超高速ビデオ生物顕微鏡システムを開発する。
U.中間評価における評価項目
(1)PC-ISISカメラの開発
 目標を上回るPC-ISIS素子の設計が完了し、製作中。
(2)超高速ビデオ撮影専用生物顕微鏡装置の製作
 目標を上回る照明変調スピードと目標の刺激反応に同期するトリガーを備えた超高速ビデオ撮影専用生物顕微鏡装置の製作を完了した。
(3)各種観察法(位相差、暗視野、微分干渉)での光学性能評価
 分解能(検出感度)として、検出可能位相差量の目標を達成した。
 明るさとしては、既開発カメラとの組み合わせで確認した。
V.評価
 本課題は、最高1千万枚/秒の撮影速度で、10フォトン程度の光子に対して感度がある超高速超高感度CCD型撮像素子PC-ISIS(Photon-Counting ISIS)を開発し、この素子を備える超高速超高感度ビデオカメラと高速撮影のために特化した生物顕微鏡システムを開発するものである。
 開発は、PC-ISISが若干遅れてはいるものの、生物顕微鏡システムは終了しており、全体としては当初計画の目標を達成できるものと思われる。今後は蛍光観察や近赤外光観察など対象となるユーザーの要求性能を明確化しつつ、着実に推進すべきである。


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