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社会技術・社会基盤

低炭素社会構築型の復興シナリオの提案

薄膜太陽電池企業を宮城県へ!

低炭素社会戦略センター(LCS)
低炭素社会実現のための社会シナリオ研究

「明るく豊かな低炭素社会」の実現を目指して

LCSは、わが国の経済・社会の持続的発展を伴う、科学技術を基盤とした持続可能で「明るく豊かな低炭素社会」の実現に貢献するため、低炭素社会実現のための社会シナリオの提案を行っている。具体的には、2030・2050年の社会につながる2020-2030年の望ましい社会の姿を描き、社会の変化に柔軟に対応しつつ、その実現に至る複数の道筋の定量的選択肢を示している。

震災復興に再生可能エネルギーの活用を提案

2011年3月11日の東日本大震災発生後、LCSでは「東日本大震災特別対策シナリオ検討チーム」を結成し、被災地における実現可能な震災復興シナリオの作成に着手した。これは、東北地方が希望する震災復興プランを考慮しつつ、地域の特性を活かし、LCSで実施している取組の各種成果を活用した低炭素社会構築型の復興シナリオであり、再生可能エネルギーを最大限に活用するための技術やシステムの導入、生産性・収益性の高い先進的な農林業を実現するためのシステム構築、高齢化に対応した地域コミュニティの再生・活性化などを包含する。被災地である宮城県には、太陽電池の技術シナリオを中心とした「明るく豊かな低炭素社会構築型の復興シナリオ」を提案、宮城県の復興計画の中で「再生可能なエネルギーの活用」として検討することとなった。具体的には、太陽電池の発電材料として、プラント建設費、技術発展によるコスト低減の可能性の両面からその優位性が高く評価されるCIS系薄膜太陽電池について、優れた技術開発力・生産技術を有するソーラーフロンティア社の工場誘致を宮城県に提案した。ソーラーフロンティア社に対しては、LCSで試算したコストシナリオに基づいて、モジュール及び発電システムの優位性を説明するとともに、宮城県から工場用地取得、環境整備などの点で優遇されるメリットがある旨を示唆した。

国、県、企業が一体となって低炭素社会の実現へ

ソーラーフロンティア社は宮城県大衡村に工場を建設し、2015年4月に稼働を開始した。同社からは、CIS系薄膜太陽電池の将来性の検討、宮城県への働きかけに際してLCSとの連携や技術評価がとても有効であり、結果として工場建設に至ったとの謝意が示された。国の支援、県の取り組みと、参画企業の東北の復興に少しでも貢献したいという思いや新しい技術の導入によりコスト競争力のある太陽光発電パネルの生産を目指したいという意欲が一体となって、工場建設が実現した事案である。

同社提供
ソーラーフロンティア「東北工場」竣工式に出席する低炭素社会戦略センター 山田興一副センター長(右から2番目)(同社提供)
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