事業成果

交流を通じた日中両国の科学技術の発展

日中の科学技術ネットワークハブとなるシンクタンク2020年更新

日中の関係機関との調査研究・ネットワーク強化

中国総合研究・交流事業

○日中の科学技術協力の促進を目的として、中国における科学技術政策、研究開発動向、経済社会状況を調査・分析
  • 日中の科学技術情報や調査・分析結果について毎年5冊程度の調査報告書を刊行。
  • 報告書を始めとするCRSC発信情報は、累計372件が政府刊行物等で二次利用され、研究開発戦略や政策の立案に活用されている。
  • ハイレベルな研究者、専門家による研究会やサロンを開催し、最新の状況に関する情報共有と人的ネットワークの構築に寄与。2019年度は累計1,155名が参加。
CRSCより発行された調査報告書

CRSCより発行された調査報告書

〇中国研究会・サロン・シンポジウムを通した日中研究ネットワーク基盤の強化
中国研究会の様子

中国研究会の様子

  • 平成18年から定期的にハイレベルな研究者等による研究会(通算132回。令和2年3月末時点)のほか、サロン、シンポジウムを開催し、毎回約200人が参加している。
  • 平成29年には中国科学技術部の万鋼部長(大臣)を招へいし、シンポジウムを開催した。万鋼部長はCRSCの活動に対する感謝を述べられ、中国政府が主催する日本の若手科学技術者の招へい事業の促進へと繋がっている。
〇日中大学フェア&フォーラム

2019年5月に中国・成都市にて、日中最大規模の大学・人材・技術交流イベント「日中大学フェア&フォーラムin China 2019」を開催した(中国科学技術部とJSTの共同主催)。
 本行事では、40校以上の日本の大学・高専の学長・副学長、また研究機関および企業の指導層ら230名あまりが成都に足を運び、そして中国からは46の大学・各種学校の学長・副学長、また各方面の研究者、大学関係者合わせ1,200名以上が集まり、日中の大学間で行われる最大規模のハイレベル国際交流イベントとなった。

  • 日中大学フェア&フォーラムin China 2019開幕式

    日中大学フェア&フォーラムin China 2019開幕式

  • 大会に参加した日中両国の大学学長・副学長

    大会に参加した日中両国の大学学長・副学長

1.日中学長円卓会議

イベントの初日には「日中学長円卓会議」が開催され、日本側からは37機関、中国側からは34機関の合計100名近い日中の大学学長・副学長等が参加した。各大学の学長たちは、「大学における教員の評価及び育成」、「日中共同研究をいかに推進するか」、「グローバル人材の育成」、「産学連携のベストプラクティス」「技術者の育成における国際協力」などをテーマとして活発な議論を行い、複数の科学研究協力の取り決め、教員派遣、交換留学など複数の項目について、また大学間交流の意向について、積極的に意見が交わされた。

  • 日中学長円卓会議の様子

    日中学長円卓会議の様子

  • 日中学長円卓会議の様子

    日中学長円卓会議の様子

2.日本大学フェア

日本大学フェアには日本の大学・高等専門学校等36機関が出展した。出展した大学は各校の学校運営の特徴と留学生の生活や勉強に関する問題を解決するさまざまな制度を来場者にアピールした。日本留学を検討する来場者等は、高い満足を得ていた。

  • 大学フェアブース(左側)と技術展のブース(右側)

    大学フェアブース(左側)と技術展のブース(右側)

  • 日本の大学のブースで留学情報について尋ねる来場者

    日本の大学のブースで留学情報について尋ねる来場者

3.日本新技術展

日本新技術展では計40のブースが設置され、日本の大学・企業が研究開発した多くの技術が展示され、研究成果の製品化の可能性を探った。各大学・企業からの展示内容は、素材や素材リサイクル利用技術、スーパースマート社会、装置・設備、環境保護、ナノテクノロジー、低炭素技術、エネルギー技術、医療技術、ライフサイエンス、高齢化社会、情報通信技術など、幅広い技術領域がカバーされていた。

  • 来場者への研究紹介の様子

    来場者への研究紹介の様子

  • 来場者への研究紹介の様子

    来場者への研究紹介の様子

4.日中学長個別会談

「日中学長個別会談」は、日中の大学や研究機関のトップ同士が直接交流する活動で、日本側からは早稲田大学、大阪大学、名古屋大学、北海道大学、理化学研究所などをはじめとする40機関が参加した。また、中国側からは中国科学院大学、電子科技大学、蘭州大学、蘇州大学など、全国各地から学長等執行部関係者が参加した。交流実績のある大学同士は旧交を温め、協力関係をより一層発展させたのはもちろんのこと、今まで接触したことのない「初めまして」の学長同士を繋ぐことにより、大学間相互交流への第一歩の場となった。

〇積極的な科学技術情報の発信による日中科学技術交流活動への貢献
  • 中国の科学技術情報を日本語で発信する国内最大のウェブサイト「サイエンスポータルチャイナ」は、最新ニュース、トップ研究者の論考を掲載し、中国研究のプラットフォームになっており、月間約230万ページのアクセスがある。
  • 日本の情報(科学技術、教育、留学、社会生活等)を中国語で発信する「客観日本」は、中国だけでなく世界中から、月間約800万ページのアクセスがある。
  • 中国文献データベース(約1,900誌から累計275万件を収録)、中国・アジア研究論文データベース(20学会、5,500論文)、中国関連団体データベース(約240団体)といった情報を整備。
  • 中国関連の調査研究書を毎年発行し、中国の科学技術政策や研究開発動向を重点的に調査・分析。報告書を120本以上刊行し、数千部のダウンロードがあり、日本の政府や研究機関、教育機関、企業などの他に、中国政府にも活用されている。