大串 始(オオグシ ハジメ)
独立行政法人産業技術総合研究所 健康工学研究部門 招聘研究員
我々は間葉系幹細胞を用いた骨再生医療技術を開発し、2001年より臨床応用をおこなっています。しかし、この技術は自己の細胞を用いたものであり、患者自身の細胞の遺伝子変異による疾患には適応できません。
今回、重度先天性骨代謝疾患(低ホスファターゼ症)の細胞に正常遺伝子を導入するとともにiPS細胞を作製し、本疾患に対する再生医療技術開発を行います。
武田 伸一(タケダ シンイチ)
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所
遺伝子疾患治療研究部長
トランスレーショナル・メディカルセンター長
我々は、筋ジストロフィーのなかでも、もっとも頻度が高く重症のジストロフィン欠損によるDuchenne 型筋ジストロフィー(DMD)の治療法の開発を目指しています。本プロジェクトでは、DMD患者由来のiPS細胞に正常なジストロフィン遺伝子を導入し、筋前駆細胞に誘導して、疾患筋に移植する次世代の細胞移植治療の開発を行います。また、筋組織から筋細胞に分化しうる幹細胞を単離し、ジストロフィン遺伝子を導入した後、疾患筋に移植する治療法の開発も合わせて行います。
澤本 和延(サワモト カズノブ)
名古屋市立大学 医学研究科再生医学分野 教授
幹細胞を多く含み発達途中にある子供の脳は、再生医学の応用が期待できる対象です。
本研究では、新生児の虚血性脳疾患の幹細胞治療を目標として、内在性幹細胞の活性化と細胞移植という二つの再生方法を同時に研究し、脳の再生医療の実現に必要な細胞メカニズム解明と基盤技術の開発を目指します。