澤本 和延 | (公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 教授) |
(1) | 内在性神経幹細胞によるPVL治療法の開発 既に確立しているラットPVLモデル作成方法を応用して、マウスPVLモデルを作成し、以下の解析を行う。 ・PVLモデルマウス脳の傷害部における各種細胞の脱落・増殖とその経時的変化、傷害後の脳室下帯における細胞産生・移動とニューロン・オリゴデンドロサイトへの分化の変化について、各種細胞マーカーに対する抗体を用いた染色により解析する。 ・各種ウィルス・遺伝子改変マウスを用いた領域/細胞種特異的な細胞標識法により、再生に関与する細胞を同定する。 ・再生に寄与する細胞を産生する幹細胞・前駆細胞の増殖・移動や、新生細胞の分化・生存を促進する分子を、脳室下帯初代培養細胞を用いた低分子化合物のスクリーニングによって検索し、その再生促進効果をPVLモデルマウスを用いて検討する。 ・コモンマーモセット低酸素・虚血モデルを作成し、脳内における細胞の増殖・移動・分化への影響を各種細胞マーカーに対する抗体を用いた染色により解析する。 |
(2) | iPS細胞由来神経系細胞の移植によるPVL治療法の開発 慶應義塾大学生理学教室で行われているiPS細胞からの神経幹細胞の誘導方法を習得し、名古屋市立大学において培養技術を確立して、ドナー細胞としての適性を評価する。 ・低酸素虚血によってPVLモデルを作成し、細胞移植を、様々な移植時期、投与方法により実施する。 ・(3)で作製された腫瘍化防止処置を施したiPS細胞について、モデルマウスに移植を行い、腫瘍形成の有無を評価する。またこの細胞において、再生に関わる細胞機能に変化が生じていないか検討を行う。 |
(3) | 腫瘍化防止技術の開発 未分化iPS細胞に強制的な早期老化形質を導入し、移植後の腫瘍化を防止する。 |
(1) | 内在性神経幹細胞によるPVL治療法の開発(澤本・戸苅) ・マウス新生仔の正常脳における脳室下帯・脳室周囲白質の発達の組織学的解析 ・PVLモデルマウスの作製と、その傷害部の組織変化の解析 ・傷害後の脳室下帯における神経幹細胞・前駆細胞の増殖・移動の解析 ・マーモセットの飼育準備と新生児正常脳の脳室下帯・脳室周囲白質の組織学的解析 |
(2) | iPS細胞由来神経系細胞の移植によるPVL治療法の開発(飛田・浅井) ・iPS細胞からの神経前駆細胞・オリゴ前駆細胞の誘導法を検討 ・PVLモデルマウスに作製した細胞を移植し、移植細胞の生存・分化について免疫組織染色により定量的に解析を行い、移植細胞の種類・移植時期・移植部位・移植法を検討 |
(3) | 腫瘍化防止技術の開発(中西) ・iPS細胞に老化誘導遺伝子を導入し、iPS細胞への老化形質誘導能を培養細胞を用いて解析 |