プロジェクト紹介

コストの観点からみた再生医療普及のための学際的リサーチ

研究代表者

研究代表者:梶川 裕矢
八代 嘉美
神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーションスクール設置準備担当 教授

プロジェクトの目標

 再生医療の技術の萌芽期のうちからコスト面について綿密な検討を行い、広く国民に再生医療を持続的に提供するための保険制度のありかたや、産業としての裾野を広げ、社会全般に再生医療によるインパクトを拡大するための政策を模索することが大きな目的である。同時に、その質を高める研究に持続性を与えるため、再生医療の研究資金の規模や配分について検討するための基盤を構築することがもう一つの大きな目的である。そして、研究者や政策当事者の側が早期に実現化の際のコスト観を伝達することによって、社会の側の科学政策の意思決定への参加モチベーションの向上や、治療の折の選択肢の提供へと繋げたいと考えている。

プロジェクトの概要

 以下の5つの柱を相補的に組み合わせ、種々の政策に反映させていくことを目論む。
 ①先行事例や今後実施される事例の調査・ヒアリング
 ②再生医療学会員に対する質問紙調査による再生医療コストモデルの構築
 ③受益者の観点から許容できるコストイメージの把握
 ④企業関係者を対象とした再生医療産業化に関するコストイメージの調査・分析
 ⑤レギュラトリーサイエンスに関するコスト情報の収集と分析
 再生医療として期待されるマテリアルには体性幹細胞、ES細胞、iPS細胞、そして高分子素材を用いたバイオマテリアルがあり、また対象とする疾患もさまざまなものがある。
 ①~⑤の一連の調査・分析を実施することで、再生医療を受ける場合の費用やその効果についてのイメージを収集し、再生医療に対して一般社会と研究当事者、また行政が想定している事象について、その萌芽期のうちにギャップを明らかにすることを目指す。得られた結果をエビデンスとしながら、現今の研究費が適正規模かつ適正な配分がなされているか、また複数の保険行政の研究者から意見を聴取し、広く国民に再生医療を提供するための医療費のありかたはどのようなものかを検討することで、再生医療を普及の障壁を軽減し、広く社会がその受益者となることができる政策提言へとつなげていくことを計画している。

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