誰が世界を変えるのか
ソーシャルイノベーションはここから始まる
フランシス・ウェストリー他
東出顕子/訳
英治出版 2008年
原題(『Getting to Maybe』)の「"かもしれないをめざす"とは、複雑で不確実な世界で、その世界の一部となって(かもしれない)可能性の山を登り、可能性の実現という頂上に立つと、また新しい可能性が見えてくる…」という書き出しで始まるこの書は、ソーシャル・イノベーションについてさまざまな示唆を与えてくれる。HIV/AIDSとの草の根の闘い、いじめを防ぐ共感教育プログラム、貧困対策、障害者支援…等、社会起業家の具体的活動事例を紹介しながら、社会変革を導きだすさまざまな要因を体系的かつ理論的に分析・整理している点が興味深い。
(奥山紘史:日本電気株式会社社会企業塾 顧問)