助けての声はうもれてるの?
日常の暮らしに困っている人はたくさんいます。そして、そういう人たちを支援するための機関はたくさんあります。しかし、その二つがうまく結びついているかと言われれば、かならずしもそうではありません。
現代社会では、人々の困難は密室化された家庭、インターネットの情報の海にうもれてしまっています。
それゆえ、支援機関が独自で問題を発見し、解決することが難しくなっているのです。
多くの面から安全をつくるってどういうこと?
児童虐待を減らすには、子どもに対する支援だけではたりません。親への支援、学校への支援、児童相談所への支援、そうして法制度の整備など複合的な取り組みが必要です。
このような包括的な問題解決プロジェクト、あるいは、他のプロジェクトと協力しながら包括的に解決する仕組みをつくってきました。
研究開発が社会にいかされるには?
たとえば藤原プロジェクトでは、虐待・DVのハイリスク予測アルゴリズムとそれを搭載したアプリを作成し、協力自治体の保健師に使ってもらうことで、妊娠期から虐待・DVを予防する取り組みが行われました。
私たちが求めるのは、研究開発したものが、実社会で利用されることです。
各プロジェクトには、社会への成果の適用までの道筋をつけていただきたいと思いますし、同時に私たちの方から、こういう団体や企業やNPOと組めばより社会で活用されるのではないかというご提案をさせていただきながら、進めてきました。
プロジェクト同士が協力するって?
支援を届けるときに壁となる個人情報の保護の問題について、プロジェクトの枠をこえた検討を行う。
児童虐待の問題に取り組む複数のプロジェクトが合同で研究会をひらき、様々な観点で予防から早期発見・介入まで包括する支援システムを検討する。
このように、実際にプロジェクト同士が協力し合うということが行われてきました。
どういうプロジェクトを重視するの?
私空間における問題について社会的な支援が徐々に広がりつつあります。しかし、支援を届けるには法律・規制や、慣習などの制度が壁になっていることも事実です。
“間”の構築の壁を認識し、それを乗り越えられるだけの現場関係者との協力体制があり、成果を社会に適用できるプロジェクトを重視してきました。
この領域でプロジェクトが具体的な成果を示すことは、社会が壁を壊すきっかけになります。