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マネジメントの現場から

2014年2月1日(土)  サイトビジット(成本プロジェクト)報告

 平成24年度に採択された成本プロジェクト「認知症高齢者の医療選択をサポートするシステムの開発」のサイトビジットを実施しました(於:京都府京都市)。

 従来の医療現場では、本人に同意能力がない場合は家族から同意をとって医療行為を行ってきましたが、近年では核家族化や高齢化に伴い、代わりに同意を得ることができる家族がなく、必要な治療が受けられない場合が出てきています。そこで、成本プロジェクトでは、(1)認知症高齢者の医療同意能力を専門家以外でも評価できるツールの作成、(2)同意能力が低下した高齢者の意思決定をサポートするプロセスの開発、(3)医療資源の乏しい地域でも運用可能な医療同意サポートシステムの開発に取り組んでいます。

 成本プロジェクトは、認知症の人と家族の会、医学、法学、臨床心理学、社会福祉学などといった非常に多様なステークホルダーが関わっていることが特長です。医療同意能力判定ツール開発チームと医療同意の意思決定プロセスモデル開発チームがあり、連動しながら研究開発を行っています。

 今回のサイトビジットでは、両チームが一堂に会するプロジェクトの全体会議に参加させていただき、それぞれのチームから現在までの進捗を伺いました。医療同意能力判定ツール開発チームからは、同意能力を構成する4つの要素があり、それぞれの問題の程度を評価できるツールの開発を目指していることをご説明いただきました。ツールの利用に関しては、いつ、誰が、どのようにその能力を評価するのかを重要なポイントとし、利用者として想定されている非専門医やコメディカルが使いやすいものになるように検討が進められていました。

 また、医療同意の意思決定プロセスモデル開発チームでは、本人が意思決定できない場合に、本人の最善の利益を確保したうえで、関与者による代理での意思決定のプロセスを明確にしようとしています。現在は、代理になり得る関与者として介護者に対するインタビューを進めており、様々な場合を考慮しつつモデルの開発にあたっていらっしゃいました。


最初に、成本先生からプロジェクトの概要と今後の予定をご説明いただきました。

秋山総括、永田領域アドバイザー、泉センター長も加わり、積極的な議論が交わされました。

実際にツールを使うことになる現場の方々とともに、あらゆる視点から検討を進めていらっしゃいます。



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