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マネジメントの現場から

2012年11月23日(祝)~24日(土) サイトビジット(中林プロジェクト)報告

 領域総括・領域アドバイザーとともに、平成23年度に採択された中林プロジェクトのサイトビジットを実施しました。中林プロジェクトへのサイトビジットは2度目で、富山県富山市を訪問しました。(1度目のサイトビジット報告はこちら

 中林プロジェクトでは、富山市中心部の一地区である、星井町地区を主なフィールドとしています。中心商店街に隣接した商業地域ですが、店舗数が減少し、商店街を利用する人も少なくなっています。プロジェクトでは、大学で開発した歩行補助車を活用し、歩くことが難しくなってきた高齢者の歩行を支援するとともに、多くの高齢者にまち歩きを楽しんでもらい、まちを活性化することを目的としています。

 今回のサイトビジットは2日間にわたり実施されました。星井町地区の皆さん、富山市関係者の方々、富山大学看護学科の学生さんなど多くの方が参加されました。

 1日目はまち歩きコースの設定・検証会およびプロジェクトからの進捗状況報告が行われました。地図を見ながら魅力的なまち歩きコースを設定し、歩行補助車を使って実際に歩いてみます。そして、公共交通機関、街路、歩行空間、寄り道スポットなどについてチェックを行いました。寄り道スポットの情報がたくさん寄せられるとともに、道路の段差や勾配、歩道の狭さなど、歩行補助車をまちで使用する際に検討しなければならない課題が挙げられました。

 進捗状況報告では、具体的な取り組みの内容や今後の計画などについて、領域総括・アドバイザーとともに確認しました。中林プロジェクトには、星井町地区自治振興会長さんや長寿会会長の皆さんが、歩行補助車を使用するモニター募集やイベントの企画に協力しています。「協働」を成功させるための要因は何なのか、これまでの活動を振り返って、意見交換が行われました。

 2日目は、歩行補助車を使って「秋のまち歩きツアー」が実施されました。イタリアフェスタで賑わう富山市中心部の総曲輪通りをまち歩きしながら、星井町地区センターまで移動します。距離にして1km程度、途中、2012年9月にオープンしたばかりの美術館「ギャルリ・ミレー」で絵画を鑑賞したり、富山大学芸術文化学部の丸谷先生によるクラフト教室で厄除けを作ったり、寄り道をしながら楽しく歩きました。真っ赤な歩行補助車が気になった通行人の方から声をかけられることも多くあり、このようなイベントの積み重ねが、地域へ歩行補助車を浸透させるためには重要なのだと実感しました。

 星井町地区センターでの昼食後は、富山大学看護学科の学生さんによる「健康ミニ講話」や参加者全員による座談会が行われ、まち歩きツアーは終了となりました。座談会では、歩行補助車のモニターとなっていただいている方から、歩行補助車を使用するようになってからは歩ける範囲が広がったというお話を聞かせていただいた一方、もう少しコンパクトな方がよい、座面が小さいなどの改善点も挙げられました。

 最後には富山市副市長にもご参加をいただき、中心市街地の活性化について意見交換がなされました。どのようなまちであれば出かけたくなるか、まちの再開発に合わせた歩行補助車の有効活用など様々なアイデアが出されました。歩行補助車がきっかけとなり、地域住民が主体となったまちづくりが進んでいます。領域総括からは、歩行補助車だけでなく富山発のまちづくりをパッケージにして国内外へ発信することが提案され、今後の発展が期待されます。


歩行補助車。改良が重ねられ、カゴ、ベル、傘置き等のカスタマイズも可能です。

1日目には、設定したまち歩きコースを紹介し検証しました。

「秋のまち歩きツアー」へいざ、出発!

歩行補助車を使って商店街を移動。赤い色が素敵です。

秋のまち歩きツアーの途中、とうがらしで厄除けを作りました。

座談会では、活発な意見交換がなされました。



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