2016年(平成28年)3月31日をもちまして、領域の活動は終了致しました。

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第4回領域シンポジウム 「コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン」

開催にあたって

領域総括 秋山 弘子
東京大学高齢社会総合研究機構 特任教授

 平成22年度より活動を開始した「コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン」研究開発領域は、全3回の公募により15件の研究開発プロジェクトを採択し、高齢社会の課題解決に向けた新しいプロトタイプを創出することを目指して、活動して参りました。

 本領域が属する社会技術研究開発センターでは「社会に役立つ社会技術」の開発を運営方針としていますが、国際的にもSTSフォーラム(Science and Technology in Society forum)での議論に象徴されるように、「“社会のための”科学技術・社会技術」を重視する流れになっています。

 このような国際的な社会動向の中で、本領域の活動として重要な点は、コミュニティに根ざした形で高齢社会が直面している課題の解決に向けてプロジェクトを推進し、そこで開発した社会技術を他地域でも活用可能なものとして発信していくことにあると考えています。そして、将来的には、こうして生み出された各プロジェクトの成果を互いに繋げることで、多くのコミュニティで展開可能な仕組みとなり、様々な高齢社会の課題解決に寄与するものと確信しております。そのため、毎年シンポジウムを開催し、対外的な情報発信を行ってまいりました。

 今年度は、3月6日に「第4回領域シンポジウム」を開催いたします。平成23年度に採択した5プロジェクトは、今年度終了を迎えました。そこで、各プロジェクトの3年間にわたる精力的な活動の成果をご報告いたします。高齢社会の課題に取り組む多くの方々に各プロジェクトの取り組みを知っていただくだけではなく、成果の活用・展開や今後の社会実装に向けて、ご意見をいただきたいと考えております。同時に、平成22年度採択の4プロジェクトの終了後の展開や、平成24年度採択の6プロジェクトの取り組みや成果の進捗状況をご報告する予定となっております。こうして、これまで取り組んできた活動成果を多くの方々と共有することで、新たな高齢社会のデザインにどのように取り組むべきか、みなさまとの意見交換を通して一緒に考えて参りたいと思います。

 さらに、本研究開発領域では、採択したプロジェクトを有機的に繋いでいくだけではなく、領域外で展開されている高齢社会の課題解決に取り組む多くの活動との連携について検討を進めております。個々の取り組みのみで笑顔溢れる超高齢未来社会を実現することは困難です。コミュニティに基盤を置きつつ、産学官民が協働して様々な取り組みを紡ぐことが必要不可欠です。そこで、来年度には、全国各地の取り組みを繋ぐソーシャルイノベーションエンジンとして「コミュニティの高齢化課題解決リソースセンター(仮称)」の立ち上げを目指しています。

 センター立ち上げに先駆けて、本シンポジウムでも「繋ぐ」ことを重視しており、ポスターセッションを通した個別の交流の場も設けております。このような形で全国各地の産学官民のステークホルダーが集まり交流できる機会はそうあるものではございません。このような機会が、新たなネットワークを創出する一助となることを願っております。

 多くのみなさまのご参加を心よりお待ち申し上げております。



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