2019.02.18

3/12(火)「理性から情動へ 〜 AI&データ時代、選択を委ねる人間たち」シンポジウム開催

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「人と情報のエコシステム(HITE)」研究開発領域 シンポジウム
理性から情動へ 〜 AI&データ時代、選択を委ねる人間たち
日時:平成31年3月12日(火)18時~20時半(受付17時半~)
場所:国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール(東京都港区六本木5丁目11−16 国際文化会館)
主催:科学技術振興機構 社会技術研究開発センター

■概要
AIやデータ社会の発展は、これからの人類社会や人間観を変化させ始めている。2016年のアメリカ大統領選やBrexitにおいてフェイクニュースが投票行動に与えた影響にみられるように、「情報さえあれば、個人は理性的で合理的な選択を行いうる」という近代社会の基本理念はすでに崩れつつある。また、生活のデジタル化に伴うターゲッティング広告やオーダーメイド型サービスなどの進展は、人間の主体的な判断より、機械による判断が優先される時代の到来を告げているようにもみえる。

このような時代を迎えるにあたって、私たち人類は今後も「近代的個人」が持つべきとされてきた「理性的な判断能力」に依拠し続けるべきなのだろうか。そうではなく、従来の人間観を更新し、「理性」ではなく「情動」に基づいた社会システムを構築していく可能性を探るべきではないだろうか。本シンポジウムでは「理性から情動へ」をテーマに、新たな個人と社会の「徳(Virtue)」とはなにか、そして人間と機械が融合した人機一体の哲学=人機学の確立を議論する。

■お申し込み
事前登録制(参加費無料)
定員に達した為、お申込みを締め切らせていただきました。多数のお申込みをいただきありがとうございました。



(フライヤー)人とAIが共進化する社会のデザイン~人文・社会科学の自然科学への関与(表)

(フライヤー)人とAIが共進化する社会のデザイン~人文・社会科学の自然科学への関与(裏)

■プログラム
18:00-18:15 開会挨拶・話題の提供 「ターゲッティング広告の衝撃」
國領二郎(慶應義塾大学総合政策学部 教授/「人と情報のエコシステム」総括)

18:15-18:55 講演 「情動の哲学~人機一体時代の新しい哲学」
信原幸弘(東京大学大学院総合文化研究科 教授/「人と情報のエコシステム」アドバイザー)

18:55-20:25 パネルディスカッション 「『機械による選択』を前提とした社会システムとは?」
稲谷龍彦(京都大学大学院法学研究科 准教授)
柴崎亮介(東京大学 空間情報科学研究センター 教授)
鈴木貴之(東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
ドミニク・チェン(早稲田大学文学学術院 文化構想学部 准教授)
信原幸弘(東京大学大学院総合文化研究科 教授/「人と情報のエコシステム」アドバイザー)
モデレーター:塚田有那(編集者・キュレーター)

20:25-20:30 閉会挨拶
森田 朗(津田塾大学総合政策学部 教授/科学技術振興機構社会技術研究開発センター長)

■登壇者プロフィール

photo國領二郎
慶應義塾大学総合政策学部 教授 / 「人と情報のエコシステム」研究開発領域 総括

1982年東京大学経済学部卒。日本電信電話公社入社。92年ハーバード・ビジネス・スクール経営学博士。93年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授。2000年同教授。2003年同大学環境情報学部教授などを経て、総合政策学部長、SFC研究所長も務める。2013年慶應義塾常任理事に就任。現在に至る。

photo 信原幸弘
東京大学大学院総合文化研究科 教授 / 「人と情報のエコシステム」研究開発領域 アドバイザー

1954年生れ。専門は心の哲学。2017年に『情動の哲学入門』を刊行し、「情動が主役、理性は補佐役」であり、適切な情動こそが人間の生にとって最も重要だと論じる。これと関連して、批判的思考の「情動論的転回」を唱え、適切な情動を基盤とする「知的徳」が批判的思考を可能にすると主張。また、人工知能の哲学では、フレーム問題に関して、物事の関連性を瞬時に捉える情動がその解決の鍵となると力説。総じて理性主義的人間観から情動論的人間観への転換を試みている。

photo 稲谷龍彦
京都大学大学院法学研究科 准教授

専門は刑事法学。グローバル化の進展や科学技術の発展によって近代法学が直面する現代的課題を解決するために、哲学・経済学・社会学・認知科学といった、法学と隣接する領域の知見を生かしながら,従来の枠組みに囚われない刑事法の解釈・立法論のあり方を探求している。
担当プロジェクト:「自律性の検討に基づくなじみ社会における人工知能の法的電子人格」

photo 柴崎亮介
東京大学 空間情報科学研究センター 教授

1982年東京大学大学院工学部土木工学科修了。建設省土木研究所勤務の後、東京大学工学部助教授、同大学生産技術研究所助教授を経て、1998年より現職。実世界を対象とした総合的計測・センシング技術、多様な観測データとシミュレーションによるデータ同化と状況推定技術、それらを利用した意思決定や活動支援サービスのデザイン技術などの研究・開発を行う。
担当プロジェクト:「データポータビリティ時代におけるパーソナル情報の
ワイズ・ユース実現支援プラットフォームに関する研究」

photo 鈴木貴之
東京大学大学院総合文化研究科 准教授

専門は哲学。意識のハード・プロブレムをはじめとする心の哲学の諸問題を中心に、心の諸科学の理論的基礎に関連する問題や、テクノロジーと社会の関係などについても研究している。RISTEXの研究開発プロジェクト「人と情報テクノロジーの共生のための人工知能の哲学2.0の構築」では、深層学習などの技術的進展をふまえた、人工知能の可能性と限界をめぐる哲学的考察のアップデートを目指している。
担当プロジェクト:「人と情報テクノロジーの共生のための人工知能の哲学2.0の構築」

photo ドミニク・チェン
早稲田大学文学学術院 文化構想学部 准教授

1981年生まれ。博士(学際情報学)。NTT InterCommunication Center[ICC]研究員を経て、NPOコモンスフィア(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)理事/株式会社ディヴィデュアル共同創業者。2017年より早稲田大学文化構想学部准教授。2008年度IPA未踏IT人材育成プログラム・スーパークリエイター認定。
担当プロジェクト:「日本的 Wellbeing を促進する情報技術のためのガイドラインの策定と普及」

photo 塚田有那
編集者、キュレーター

世界のアートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。アート・教育・思考実験のプラットフォーム一般社団法人Whole Universe代表。サウンドアーティストevalaによる「See by Your Ears」のディレクターとして様々な音と都市のプロジェクトを展開。近著に『ART SCIENCE is. アートサイエンスが導く世界の変容』がある。http://boundbaw.com/
担当プロジェクト:「人文社会科学の知を活用した、技術と社会の対話プラットフォームとメディアの構築」

photo 森田 朗
津田塾大学総合政策学部 教授/科学技術振興機構社会技術研究開発センター長

1976年東京大学法学部卒業、東京大学助手などを経て、94年より東京大学大学院法学政治学研究科教授、2004年東京大学公共政策大学院教授・同大学院院長、12年より学習院大学法学部教授、東京大学名誉教授。14年国立社会保障・人口問題研究所所長。17年より津田塾大学総合政策学部教授、18年より研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)センター長。中医協前会長。

■お問い合わせ
「人と情報のエコシステム」運営事務局
E-mail:info-ecosystem[at]jst.go.jp Tel:03-5214-0133 Fax:03-5214-0140