社会システムと情報システムの相互作用を促す共進型社会実験プロジェクト管理手法の検討
プロジェクトの概要
都市レベルの道路交通最適化を目指し、社会システムと社会基盤となる情報システムが相互作用する社会実験のプロジェクト管理を企画調査対象とする。 日本では「技術で勝って、ビジネスで負ける」と言われるように社会基盤となる情報システム研究開発において不得意分野が存在する。ITS(高度道路情報システム)の活動を振り返ると、社会や人の行動変容や価値観変化を伴う新フレームワーク、新サービス創出に係る分野がそれに相当する。ITSの不得意分野克服は、社会システム(人)と情報システムの2つのシステム開発を共進化の考え方の下でどう扱うかの問題に帰着できると考える。 その上で、2つのシステム開発方法論を包括する知識体系(Bok:body of knowledge)が必要である。
我々はプロジェクト管理知識体系(PMBoK)を拡張し、小規模社会実験から社会実装に至るような、共進化するプロセス(社会実験の段階)とその時系列であるプロセスパスを2つのシステムの相互作用の視点からプロジェクト管理の体系化を目指す。これによって、プロセス(社会実験)の位置づけや状態の理解を適切に関係者間で共有することで、2つのシステムの共進化が促されることが期待できる。 社会システムと情報システムの共進化型社会実験プロジェクト管理の実践的な研究開発プロジェクトを実施するには、以下の整備が必要である;
• 共進化型社会実験プロジェクト管理の概念
• 社会システム側の観測対象
• 情報システム側の観測対象
• 社会実験(仮)指標設定と観測手段
• 指標の妥当性検討
本企画調査では、 都市レベルでの道路交通最適化の社会基盤となる交通社会ダイナミックマップを豊田市に導入するという取り組みを対象事例に上記を整備し、研究開発活動に必要な体制を整える。
実施者
手嶋 茂晴 (代表者) |
名古屋大学未来社会創造機構 |
特任教授 |
大野 沙知子 |
名古屋大学未来社会創造機構 |
特任助教 |
久木田 水生 |
名古屋大学大学院情報科学研究科 |
准教授 |
清水 智哉 |
豊田市企画政策部環境モデル都市推進課 |
担当長 |
高田 広章 |
名古屋大学未来社会創造機構 |
教授 |
渡辺 陽介 |
名古屋大学未来社会創造機構 |
特任准教授 |
参画・協力機関
• 名古屋大学 未来社会創造機構 |