2014年(平成26年)3月31日をもちまして、領域の活動は終了致しました。

活動報告

脱温暖化をめざして
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領域活動通信

第1回領域シンポジウム「地域に根ざした-80%へのシナリオづくりとまちづくり」

東京都墨田区 KFCホール(2009年3月14日)

 領域では、3月14日(土)に『地域に根ざした-80%へのシナリオづくりとまちづくり』と題して、第1回シンポジウムを開催いたしました。当日はあいにくの悪天候でしたが、約140名の参加があり、熱心に講演に耳を傾けていただけただけでなく、活発に議論にご参加いただきました。

  プログラムPDF(234KB)
  講演要旨集PDF(3,967KB)

【午前の部】
 午前の部では、まず社会技術研究開発センター センター長 有本建男が社会のための科学の重要性と、本領域に対する期待について講演を行ったのち、領域総括堀尾正靱が本領域の背景となる考え方や、CO2マイナス80%削減シナリオについて領域の試算結果とともに、電気自動車シナリオや住環境への取り組みの重要性を示しました。その後の基調講演では、一級建築士・非営利中間法人天然住宅の相根昭典代表から、林産地と長寿命木造住宅をつなぎ支える人材育成や金融の仕組み、その取り組みのご紹介がなされました。
【午後の部】
 午後の部の基調講演では、法政大学本間義人名誉教授から、地域に根ざした政策形成の重要性、そのなかで市民、行政、政治、学者、研究者が地域の力(地域独自の理論)を作っていくためにどのような役割を担っていくべきか、またそのなかでのカルチャーの意義と、カルチャーを作っていく歴史や人文学が軽視されていくことへの危惧も示されました。その後、現在全国各地で展開している研究開発プロジェクトの紹介があり、引き続きポスターセッションにて、コーヒーを飲みながらシンポジウム参加者とプロジェクト実施者による活発な意見交換が行われました。これは新たなネットワークやプロジェクト間の連携を構築する良い機会となったようです。
 杉原弘恭 領域アドバイザー(日本政策投資銀行参事役)の基調講演では、経済危機・雇用と風土産業・中間(適正)技術の再評価」と題して、「地域に根ざして」脱温暖化・環境共生社会づくりを行う際に有益な、適正技術論の整理がなされ、そのなかで共通する経済・社会・環境の3つの適合性の同時達成を意識すること、社会と自然に適合する技術の重要性が示されました。続いて岡田久典 領域アドバイザー(NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク副理事長)からは、「地域ポテンシャルの活用」について、地域の支出はエネルギー、高等教育、医療に集中しており、エネルギー自立ができ、安く高等教育を受けられるようになること、食べていける地域人材のライフスタイル設計ができること、新しい時代の都市と地域の力関係を構築することが地域ポテンシャルの活用にとって重要であることが示されました。
 パネルディスカッションでは、講演者や領域アドバイザー、研究開発プロジェクト実施者が、異なる立場や意見をもつ人々との協働の重要性、産業界との連携などについて、会場との意見交換、議論を行いました。脱温暖化は重要であるが、様々な意見を持つ人がおり、それらの意見に対しても寛容であることも必要であり、拒否するだけでは何も発展しない、意見の異なる様々な人々と何かを作り上げていくことに意味がある、といった意見や、産業界に期待することとして、地方分散型社会はある程度可能であるので、その動きに経営も適応していく必要があるのではないか、などの議論がなされました。
 シンポジウム終了後、参加された皆様から、このシンポジウムへのご感想やご意見を多数寄せていただきました。
 今回のシンポジウムでの議論の内容や皆様から寄せられたご意見を、領域の運営や各プロジェクトの活動へ活かしていくとともに、次回シンポジウム企画にも反映させていけたらと思っております。

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