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CREST「JST-NSF-RCN国際合同ワークショップ」開催報告

2019年07月12日

戦略的創造研究推進事業CREST分散協調型エネルギー管理システム構築のための理論及び基盤技術の創出と融合展開

https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah24-1.html

JST-CREST「分散協調型エネルギー管理システム構築のための理論及び基盤技術の創出と融合展開(EMS:Energy Management System)」領域(研究総括:藤田政之 東京工業大学教授)では、NSF(National Science Foundation:米国国立科学財団)、RCN(The Research Council of Norway:ノルウェー研究会議)と国際合同ワークショップを開催しました(於:東京・六本木2019年06月20日-21日)。このワークショップは、当該分野での各国研究者の情報交換やネットワークの構築や共同研究への発展を目的として、これまでに米・ハワイ州、米・バージニア州、独・ハイデルベルグ、東京、印・ムンバイで開催してきました。これらに続く第六回目の開催となる今回、米国からNSFの研究者を中心に17名が参加した他、ノルウェー、ドイツ、イタリア、インド、マレーシアの各国から研究者が来日し、総勢150名を上回る盛大なワークショップとなりました。

ワークショップはJST後藤理事による開会挨拶、藤田JST-CREST研究総括の開会セッションに始まり、当領域の成果として既に800件を超える国際共著論文が発表され、うち約100件がトップジャーナルへの掲載であること等が報告されました。また、キーノートセッションでは、電力中央研究所ENIC根本センター長が需要側の分散エネルギーシステムと電力産業のデジタル化に係る最新動向についてご講演いただきました。また、各国におけるEMSの最新動向に関するセッションでは、NSFのRadhakisan Bahetiプログラム・ディレクター、在日ノルウェー大使館のSvein Grandham参事官、内閣府SIPの浅野サブPDが自国のEMS研究の最新動向について講演しました。

口頭発表においては、日本からはEMS領域の6名の研究代表者・研究者が、最新の研究成果について講演を行いました。また、国外からはMITのAnuradha Annaswamy教授が電力取引市場における分散最適制御について、University of Central FloridaのZhihua Qu教授がダイナミックプライシングによる電力調整について講演した他、アメリカ、ノルウェー、ドイツ、インドの研究者が最新の研究成果について講演しました。ポスター発表では、CRESTの若手研究者を中心に50件の発表と1件のデモが行われ、レセプションの最中も含め、およそ3時間に亘り研究者間で極めて活発な議論が交わされました。

閉会セッションでは、JST・中村顧問がSDGsに向けた今後の課題について講演した他、NSF・Radhakisan Bahetiプログラム・ディレクター、RCN・Svien Grandham参事官も登壇し、藤田総括のモデレーションのもと会場とインタラクティブな議論が展開されました。今年最終年度を迎えたCREST/EMS領域が終了した後も、六回のワークショップを通じて形成されたトップレベルの国際コミュニティを次のステージへと発展させ、引き続き連携に取り組みたい、との意欲的な要望が研究者コミュニティ及びNSF・RCNの国外ファンディング・エージェンシーの双方から寄せられるなど、今後の取り組みが期待される中での閉会となりました。