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「革新的触媒」創出に向けた日独合同シンポジウムを開催 – FHI-JST Joint Symposium “ Current Topics and Challenges for Innovative Catalysts ” –

さきがけ「革新的触媒の科学と創製」領域
https://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research_area/ongoing/bunyah27-3.html

CREST「多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術」
https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah27-3.html

2018年10月31日(水)~11月2日(金)にドイツのマックス・プランク協会フリッツ・ハーバー研究所(Fritz Haber Institute (FHI) der Max Planck Institute)にて、革新的な触媒技術の創出をテーマとした日独合同シンポジウムを開催しました。

JSTでは、2015年度より多様な炭素資源をバランスよく活用した低炭素社会、低エネルギーでサステナブルな社会の実現に向け、革新的な触媒材料・技術の創出に資する研究開発を進めています。ナノテクノロジーの進展に伴い、物質合成、計測・分析、理論・計算が連携した触媒開発は世界的な潮流となっています。今回のシンポジウムは、化学分野における計測・分析、理論・計算に関して世界有数の研究機関であるフリッツ・ハーバー研究所との国際的な連携を企図としたもので、若手研究者を中心に日独合わせて100名あまりが参加しました。

シンポジウムでは、(1)メタンなどの炭素資源利用に資する触媒材料・プロセス、(2)材料創出を支える計測・分析手法、(3)触媒反応のダイナミクスを理解するための理論・計算手法など、最先端の触媒科学に関して口頭発表40件、ポスター発表50件の発表が行われ、共同研究の打合せも含めて活発な議論が交わされました。またFHIのPI(独立研究者)でさきがけ研究者でもある熊谷崇氏のガイドのもと研究所見学も行われました。最先端の計測装置の充実ぶりだけでなく、それらの円滑な運用をサポートする人的体制などの違いに、日本側研究者の多くが驚いていました。さきがけ「革新的触媒」北川宏研究総括からも「FHIのような国立研究所の環境の充実は、サイエンスが国の文化として根付いていることの証左である」と賛辞が送られていました。

本シンポジウムのチェアを務めていただいた日側代表CREST「革新的触媒」上田渉研究総括および独側代表Hajo Freund教授からは、「今回のシンポジウムを足がかりとして是非国際的なネットワークを構築していただき、近い将来、共同研究として発展することを期待しています」というエールが送られました。