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第3回 ACCELシンポジウム開催 ~トップサイエンティスト×プログラムマネージャーの社会変革への挑戦~

平成30年9月21日、「第3回 ACCELシンポジウム」がSMBCホール(東京都千代田区)にて開催されました。 「ACCEL」は、世界をリードする顕著な基礎研究の成果について、イノベーションの創出に向けて研究を加速させるプログラムです。 当日は、産業界、官公庁、大学を中心に約160名の方々にご来場いただき、研究代表者とプログラムマネージャー(PM)の協働によって トップサイエンスをトップイノベーションへつなげるための、ビジョンと研究成果について紹介いたしました。

はじめに、JSTの後藤吉正理事より開会の挨拶があり、つづいて文部科学省の千原由幸審議官よりACCELプログラムによるイノベーション創出に対する期待が述べられました。

今回のシンポジウムでは、光工学・情報工学・電子工学・材料化学等の多岐に渡る分野にて、下記5つの研究開発課題を取りあげました。(以下、所属は平成30年9月21日当時)

スローライト構造体を利用した非機械式ハイレゾ光レーダーの開発
研究代表者: 馬場 俊彦 (横浜国立大学 大学院工学研究院 教授)
プログラムマネージャー: 小林 功郎 (科学技術振興機構)
次世代メディアコンテンツ生態系技術の基盤構築と応用展開
研究代表者: 後藤 真孝 (産業技術総合研究所 情報技術研究部門 首席研究員)
プログラムマネージャー: 伊藤 博之 (科学技術振興機構)
高速画像処理を用いた知能システムの応用展開
研究代表者: 石川 正俊 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授)
プログラムマネージャー: 岸 則政 (科学技術振興機構)
縦型BC-MOSFET による三次元集積工学と応用展開
研究代表者: 遠藤 哲郎 (東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター センター長/大学院工学研究科 教授)
プログラムマネージャー: 政岡 徹 (科学技術振興機構)
自己組織化技術に立脚した革新的分子構造解析
研究代表者: 藤田 誠 (東京大学 大学院工学系研究科 教授/自然科学研究機構 分子科学研究所 卓越教授)
プログラムマネージャー: 江崎 敦雄 (科学技術振興機構)

まずプロジェクト講演として、研究代表者より研究開発ビジョンや成果について、PMより実用化に向けた活動内容や今後の展開について講演がありました。続くキーノートスピーチでは、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター(UMI)株式会社 取締役パートナーの木場祥介氏より、トップサイエンスの重要性や素材・科学分野における事業化について講話をいただきました。
次に、プロジェクト講演に登壇したPM 5名にACCEL研究開発運営委員の岡島博司氏(株式会社豊田中央研究所 BR総合企画室 理事)をパネリストとしてむかえ、「トップサイエンスをどう社会につなげるか」と題し、パネルディスカッションを開催しました。研究と社会をつなぐ重要性、いま求められている研究とは、実用化までの「壁」をどう乗り越えるか等、様々な議題について活発な意見が交わされました。

最後に、JSTの中村 道治顧問、ならびにACCEL研究開発運営委員会の松本 洋一郎委員長(東京理科大学 学長)より、閉会の挨拶として、トップサイエンスをどうイノベーションに結びつけるか道筋をつける重要性と、日本の組織・サイエンスの課題、その中でのACCEL事業の意義や展望を述べられ、シンポジウムを締めくくりました。