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平成29年度 技術移転に係わる目利き人材育成プログラム 地域コース(北陸)の開催報告
2017年12月19日 福井市地域交流プラザ 研修室(AOSSA 601B・C)(福井県福井市手寄1-4-1)

知財活用支援事業 技術移転に係わる目利き人材育成プログラム https://www.jst.go.jp/tt/mekiki/index.html

平成29年12月19日(火)に、産学連携展開部では、技術移転に係わる目利き人材育成プログラム 地域コース(北陸開催)を、福井県、公益財団法人ふくい産業支援センターによる共催協力の下に開催しました。

今回は、「超小型衛星の打ち上げと利活用を通じた地域貢献」をテーマに、現在、福井県が推進している県民衛星プロジェクトを題材にして、超小型衛星から得られるデータのマーケットニーズ、ビジネスチャンスを深掘りするグループ討議を通じて多面的に検討する場を企画いたしました。

研修会には、福井県内で産学連携業務に関わっている方を中心として、公設試、財団、大学、県、企業、マスコミ関係者など総勢23名の方が参加しました。研修会当日にはNHK福井放送局による取材があり、その日の夕方にニュースで放映されるなど、福井県の皆さんが寄せる県民衛星への期待の高さが感じられました。

座学講義では、富士通(株)の新井講師から、宇宙利用産業の全体像を俯瞰し福井県民衛星プロジェクトの取り組みについてご紹介をいただきました。その後、九州工業大学の趙教授より同大学での先駆的な超小型衛星の信頼性確保のための取り組み紹介や超小型衛星の製造やQC等の現状と問題点について概説をしていただきました。

午後からは、福井工業大学の中城教授より、同大学の私立大学研究ブランディング事業による宇宙事業への挑戦について事例紹介をいただいた後、福井県工業技術センターの強力所長より、平成27年に設立された「ふくい宇宙産業創出研究会」(福井県民衛星プロジェクトの推進にあたって産学官金の関係者が一堂に会する研究会)の取り組み紹介をいただきました。その後、「超小型衛星の利活用アイデア創出」をテーマに、超小型衛星から受信するデータの利活用方策について、複数のグループに分かれて討議を行いました。「誰に、何を、どのように」届けるのか、データの利活用の方策とその実現に向けての具体的なシナリオが表を活用して議論されていました。

今回、同研究会とJSTとが目利き研修の場を一緒にコラボレーション企画したことにより、福井県外の有識者であり、超小型人工衛星開発の第一人者である趙教授の知見に直接触れることができ、人的ネットワークの構築ができてよかったとの声をいただきました。

たった1日間という限られた時間でしたが、開催地域特有のホットなテーマを軸にして、参加者間で密度の濃い活発な議論や情報交換が行われる場面が多く見られました。

研修会終了後には、参加者による意見交換会も企画され、所属機関の垣根を越えた人的ネットワークの構築ができました。同研究会の関係者の皆さんは、公設試、財団、大学、県、企業、マスコミ関係者の業種ジャンルを問わず相互に顔の見える強固な協力体制が築かれており、福井の県民衛星打ち上げを必ず成功させたいという1つの夢の実現に向けて、一丸となっている絆の強さを感じました。第2弾を開催して欲しいとのリクエストもあり、目利き人材育成プログラムとしても、今後の本プロジェクトの進展を見守っていきたいと思います。

今後も引き続き、参加者からの要望や意見を参考にしながら魅力ある目利き研修プログラムを企画運営していきたいと考えています。ぜひ皆さんも本研修に参加して、実体験した声をJSTへお寄せ下さい。


NHKの福井放送局から取材を受けている金子産学連携展開部長


研修会場全体写真


グループ討議の様子