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Science Forum South Africa(南アフリカ科学フォーラム;SFSA)でセッションを開催、日本大使館共同ブースで展示賞を受賞
2016年12月08日~09日 南アフリカ プレトリア

国際戦略室
科学コミュニケーションセンター http://www.jst.go.jp/csc/

J南アフリカ科学フォーラム(SFSA)は南ア科学技術省が行政首都プレトリアで開催する、「科学技術イノベーションを通したウェルビーイングと繁栄」に貢献するためのアフリカ最大のオープンフォーラムで、南アフリカを中心にサブサハラアフリカ、欧州、アメリカ大陸、アジアから60カ国以上の政策立案者、科学アカデミー、研究機関、研究者ら2,000名以上が参加しました。JSTは複数セッションの主催・登壇をはじめ、現地日本大使館等とブースの共同出展等を行いました。

科学コミュニケーションセンターが主催した「持続可能な開発目標(SDGs)とパブリック・エンゲージメント(公共の関与)」をテーマとしたセッションでは、欧州ユーロサイエンス、ユネスコ中南米・カリブ海支部、南アズールーランド科学センター(日本科学未来館推薦)の有識者と共にJSTから大竹研究開発戦略センター(CRDS)特任フェロー、松田横浜国立大学教授(CREST「海洋生物多様性」領域アドバイザー)が登壇し、SDGs達成に向けては研究者からのインプット、人文・社会科学との協働、社会との共創が一体的に進んでいくこと、またその知見を世界の科学フォーラムの場で継続議論していくことの必要性について幅広く共有されました。約60名のほぼ満席の聴衆とは、SDGsへの主体的な関心の高さを反映して時間を超過して質疑が展開されました。また、現地ソウェト地区の視察では、スラム街の劣悪な環境を目の当たりにし、SDGs第1目標である「貧困」解決の重要性を肌感覚で捉える機会となりました。

「科学的助言」に関するセッションでは、英国や南アの大学教授、南ア科学技術省及びユネスコ等から、元欧州科学顧問等を含むハイレベルな参加者に有本CRDS上席フェローが加わり、聴衆と共に過去5年に渡りに35ヶ国300名以上で積み重ねられてきた「政府に対する科学的助言の20指標」の重要点と更なる深化に向けた議論が行われ、その結果も踏まえた報告が2017年1月に「科学・社会的政策立案のための倫理と原則:ブリュッセル宣言」としてネイチャー誌等にも取り上げられる旨紹介されました。

日本大使館共同ブースでは、アジアからの唯一の出展ブースとしてJST・JICA・在京南ア大使館が参画し、「日本の知識-研究と高等教育の機会」として、アフリカに関わる取組みを総合的に紹介しました。特に日本との共同研究や留学の機会、SATREPS「環境・水資源確保」分野の研究支援展示は2日間で150名を超える来訪者の関心を集め、閉幕セッションでは、南ア科学技術省より、優秀展示3点の1つに選ばれ、パンドール科学技術大臣から表彰されました。

会期中には、その他、世界の主要な6科学フォーラム(米国科学振興協会(AAAS)年次総会・ユーロサイエンス・オープンフォーラム(ESOF)・世界科学フォーラム(WSF)・中南米カリブ海オープンフォーラム(CILAC)、SFSA及び日本のサイエンスアゴラ)代表者が一堂に会し、アフリカにおけるプレゼンス向上と主催者間の連携強化を狙うミニセッションも行い、各々の特徴の違いを浮き彫りにしつつも、共通課題として若者の取り込みの必要性等が明らかになりました。

会期を通じてパンドール大臣からは、科学技術を通じて国家的な優先課題である貧困・不平等・非雇用を改善するという強いメッセージが発信され、今後に向けては、第1にアフリカや世界の社会経済的な文脈に当てはめて科学技術・イノベーションの成果につなげること、第2にSDGs達成には科学技術・イノベーションだけに止まらない人間そのものの価値を中心に据えること、第3に決して諦めない使命感が重要であることが強調されました。

JSTでは、これまでの国際協力推進事業や政府主導のアフリカ開発会議(TICAD)におけるアフリカ諸国との連携に加えて、本SFSAやESOF、サイエンスアゴラ等のオープンフォーラムの場を通じて南ア科学技術省や科学技術振興庁、在京南ア大使館等との協働を深めてきました。今後もその協力関係を基盤に、科学フォーラム代表者や科学コミュニティのステークホルダーと共に、互いに世界的な共通課題の解決に向けたヒントを探る対話の継続を目指します。

次回第3回目のSFSAは、2017年12月、プレトリアで開催されます。

【参考】


南アフリカのソウェト地区(スラム街)


SDGsセッション


科学的助言セッション


日本大使館共同ブース


パンドール南ア科技大臣から「展示賞」受賞