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見ているだけで、目が回り、脳が混乱しそう。錯視の世界へようこそ!
メディアラボ第17期展示「数理の国の錯視研究所」
~2017年05月15日 日本科学未来館

日本科学未来館 http://www.miraikan.jst.go.jp/


「数理の国の錯視研究所」展示の様子

世界にはたくさんの錯視があります。誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、錯視が起こる仕組みは、十分に解明されていませんでした。

錯視とは、視覚における錯覚のことで、1889年に発表された、ミューラー・リヤー錯視は同じ長さの線分でも、内向きの矢羽をつけたものは短く、外向きのものは長く感じる錯視です。

日本科学未来館は、5月15日(月)まで、メディアラボ第17期展示「数理の国の錯視研究所」を開催しています。

数学を使って「錯視」の研究に取り組んでいる東京大学大学院数理科学研究科の新井仁之教授と明治大学先端数理科学インスティテュートの杉原厚吉特任教授がそれぞれ異なるアプローチで制作した錯視作品、計18点を展示します。

新井教授は、脳内の神経細胞による情報処理の数理モデルの研究を行い、目から入った情報が脳でどのように処理されるかを数学的にとらえ、神経細胞が行う処理に近い計算をコンピューターでしています。研究を基に、静止画が動いて見えたり、画像を見る距離を変えることによって違う絵が見えてきたりするなど、錯視を平面上に表現しました。杉原特任教授は、下り坂をボールが上っていくように見えるなど、現実の世界では不可能と思われる現象を立体作品として実現させました。形の情報が光に乗って目に届くまでの仕組みを、幾何学という数理的構造を手がかりに解き明かし、錯視の謎に迫ります。

生活の中にも錯視は隠れています。立体標識や横断歩道、同じ色なのにいくつも並んでいると違う色に見えてくる色の錯覚——。仕組みがわかれば、「なんだ、そういうことか!」と納得するはずが、もう一度見るとやっぱり「あれ?なんで?」と思ってしまう錯視の世界にどっぷりと浸かってみてはいかがでしょうか。

「フラクタル螺旋錯視」
フラクタル図形が同心円状に並んでいて、渦巻きのように見える。フラクタル図形とは一部をいくら拡大しても、拡大前と同じような複雑さを持つ変わった図形のこと。
制作者:新井仁之教授、新井しのぶさん
「変身立体 ガレージ屋根」
見る位置によって立体の形が全く違って見える作品。手前と奥のガレージは同一の立体だが、鏡を通して見ると奥に映ったガレージの屋根はへこんで見える。