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初の公開シンポジウム開催 将来の低炭素技術におけるALCAの役割を強くアピール
2016年06月30日 横浜

戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)
http://www.jst.go.jp/alca/index.html

地球温暖化問題が深刻化し、対策に向けて世界の気運が再び高揚しています。発足6年目を迎えた先端的低炭素化技術開発(ALCA)は、これまでの取り組みや成果を広くアピールするための、初めての公開シンポジウムを6月30日に横浜で開催しました。

基調講演では橋本和仁プログラムディレクター(PD)より、昨年のCOP21で日本が国際的に約束したCO2排出削減目標は、現状の技術の延長線上では達成できず、革新的な低炭素技術開発が必要であること、そのためのALCAにおける“ゲームチェンジング”な研究開発課題の採択と、研究成果を節目毎に厳しくチェックする“ステージゲート評価”の取り組みが紹介されました。

また成果紹介では、「ALCAの主力技術である次世代蓄電池の研究は世界のトップである」(首都大学 金村聖志教授)、「独自の手法で大口径、高品位な窒化ガリウム結晶成長が飛躍的に進歩」(大阪大学 森勇介教授)との報告がありました(特に森教授は「ステージゲート評価で頭と心が鍛えられた」とユーモアを交え、会場の笑いを誘っていました)。

パネルディスカッションでは、ALCA国際評価委員の池上徹彦元会津大学長が、「CO2排出低減という明確な目標を掲げたプログラムであるのでトップダウンマネジメントは有効である。さらに国際的な取り組みが必須だが現時点では不十分」と指摘しました。また、本部和彦東京大学教授は「インドや中国など人口大国に普及できる技術開発が必要である」と指摘しました。

橋本PDは戦略的な研究における国際連携は慎重にすべきこと、技術普及と企業収益とのバランスを考慮すべきことを述べた上で、ALCAのさらなる飛躍の期待とPDとしての決意を表明しました。企業からの参加者が約6割を占め、ALCA発の新技術への注目の高さがうかがえる中、ALCAの存在をさらに強く印象づけることができました。


基調講演を行う橋本プログラムディレクター


パネルディスカッションにおいて話題提供する池上元学長(右から2番目)