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EuroScience Open Forum(ESOF)2016でセッションの開催やJSTブースの展示を行いました
2016年07月24日~27日 イギリス マンチェスター


ネットワーキング会合

ESOFは欧州最大の科学者組織EuroScienceが2 年ごとに開催する科学研究とイノベーションに貢献するための総合科学フォーラムであり、研究者のみならず政策関係者や産業界、メディアへも影響力があります。

ESOF2016は産業革命で有名なイギリスのマンチェスターで開催され、JSTは複数セッションの主催・登壇をはじめ、ブース出展などを行いました。

科学コミュニケーションセンターが南アフリカ政府と共催した「地域的・世界的な科学技術外交を如何に変革するか」を議論するセッションでは南ア政府、米国科学振興協会(AAAS)、仏国立科学研究センター(CNRS)やユネスコ、国連の有識者5名と共にJSTから中村顧問が登壇し、日本がアジアで展開してきた科学技術外交の特徴をJSTの取り組みを交えて紹介し、これまでの経験から「対等な立場」が鍵であることを共有しました。約50名の聴衆を得た質疑応答では、各地域の科学技術外交の効用と課題の意見交換を通じて、自国を守る手段であった外交が今では世界をより良くするための手段となっていることが認識される中身の濃い議論となりました。

研究開発戦略センター(CRDS)が主催した「知のコンピューティング」セッションでは、欧州委員会、英国大学教授と共に萩田ATR知能ロボティクス研究所所長とJST岩野上席フェロー、有本上席フェローが登壇し、約40名の聴衆と共に、人と機械の創造的協働を実現するための研究開発である「知のコンピューティング」の更なる推進に向けては、人と機械の関係性とアイデンティティが鍵である旨議論を深め、日本発のイニシアチブに共通理解を得る機会となりました。

JSTブースでは、機構概要や国際共同研究に関する事業(SICORP、SATREPS等)に加え、戦略的創造研究推進事業、産学連携・技術移転事業、科学コミュニケーション推進事業、ダイバーシティ推進事業、日本科学未来館などのパネル展示、映像コンテンツ上映やミニレクチャ-を通じて、各事業の概要や研究開発の成果などを紹介しました。ブースは、会期を通じて非常に盛況で4日間で485人あまりの来場者がありました。

会期中に科学技術振興のためのリエゾングループ(JSTを含む世界の7科学機関)が「科学技術への長期投資の必要性」に関する共同提言書を欧州委員会へ提出し、モエダス研究・科学・イノベーション担当欧州委員と意見交換しました。また、4科学フォーラムとの共同記者会見における本年11月開催のサイエンスアゴラの紹介、南ア政府とのネットワーキング会合の開催を通じて多国間の科学コミュニティとの連携を深めました。

更にサイドイベントとして開催されたハイレベル協議会に参加し、主要国の科学顧問などと共に政策への科学的助言のあり方についての検討に加わり、今後の科学的助言の指針を示す会合(政府科学顧問の国際ネットワーク(INGSA)や世界科学フォーラム(WSF)2017)に向けた基礎文書の策定に貢献しました。

JSTは、世界的な共通課題の解決に資する議論を主導する組織の一員として、引き続きこのような大規模な国際科学フォーラムへの参画を通じてJSTの活動を発信すると共に、世界の科学コミュニティとの相互作用を通じて、新たな国際科技協力の創出など、今後の協働に向けた基盤の構築に取り組んでまいります。

次回ESOFは、2018年7月、フランスのトゥールーズで開催されます。


科学技術外交セッション


知のコンピューティングセッション


JSTブース


中村顧問とモエダス欧州委員会委員