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SIPエネルギーキャリア公開シンポジウムを開催しました
2016年7月20日 日本科学未来館(東京都江東区)

SIPエネルギーキャリア https://www.jst.go.jp/sip/k04.html


村木プログラムディレクター挨拶

招待講演
(株)本田技術研究所 守谷氏 

招待講演
東京理科大学 橘川先生

平成28年7月20日(水)、東京・日本科学未来館において、内閣府及びJSTの主催による公開シンポジウムを開催しました。 SIPエネルギーキャリアでは、世界に先駆けた低炭素・水素社会の早期実現を目指し、これまで未解決だった水素の製造・輸送・貯蔵コスト課題と安全性課題を多様な技術開発で解決することに取り組んでいます。

今回のシンポジウムでは、内閣府松本大臣官房審議官の開会挨拶の後、村木茂プログラムディレクター(東京ガス株式会社 顧問)から、水素/エネルギーキャリア導入シナリオ策定に向けて府省間連携を強化していくこと、SIP成果を国際連携実施に発展させるべく海外とも情報交換を行っていることが紹介され、出口戦略の達成に向けて体制を強化していることが報告されました。

続く招待講演では、「Hondaにおける燃料電池自動車開発と水素社会に向けて」と題し、守谷隆史様(株式会社本田技術研究所 上席研究員)から、太陽光水素ステーション、2016年3月に販売開始した「CLARITY FUEL CELL」、それを利用した外部給電システムなど、水素社会実現に向けて「つくる」「つかう」「つながる」をコンセプトに進めている技術開発についてご講演いただきました。昼休みには、来場者に、実際にCLARITYを見学していただきました。

次に、現在SIPエネルギーキャリアで取り組む研究開発テーマの研究責任者から、これまでの成果について口頭発表及びポスター発表がありました。H28年度は、水素製造(2件)、アンモニアの製造・利用(4件)、有機ハイドライドの製造・利用(1件)、液体水素の利用(2件)、エネルギーキャリアの安全性評価(1件)について10件のテーマに取り組んでいます。昨年の公開シンポジウムから1年の間に、4件のプレス発表を行うなど、着々と成果が現れており、ポスター会場では活発な議論が行われました。

2件目の招待講演では、「エネルギーミックスと水素」と題し、橘川武郎様(東京理科大学大学院 教授)より、経済学の視点で水素社会実現への課題についてご講演いただきました。CO2削減目標に対し水素がどのように関わるのか、水素の利点は何か、コストダウンに向けて何が必要か、など技術者とは異なる切り口でお話しいただき、新しい刺激を受ける機会に恵まれました。

最後に当機構白木澤佳子理事による閉会挨拶をもって、すべてのプログラムを終了しました。

今後もSIPエネルギーキャリアでは、府省並びに産官学の連携、オールジャパンによる取り組みを強力に推進し、国際連携も視野に入れて技術開発を行っていきます。


招待講演・口頭発表(未来館ホール)


CLARITY見学会 


ポスター発表(会議室1,2)