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助け合い譲り合いの精神を世界に伝えたい 高校生が語る科学技術と復興への熱い思い
2016年5月29日 福島

20周年記念事業
「若者がつくる復興の未来図~科学技術は復興にいかに関わるべきか~」


名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構
益川敏英機構長

「若者がつくる復興の未来図」と題して第4回JST20周年記念シンポジウムが5月29日に福島で行われました。東日本大震災当時に小学生だった子供が今は高校生、すぐに本格的な復興を担う中核的な世代に育っていくに違いありません。高校生が描く復興の未来を収録してみました。

「震災で助け合いの場に参加した。今の世界はさまざまな災害が起こっている。助け合い譲り合いの精神を世界中に伝える。この目標を達成することが私の復興だ」(須田佳小里さん、宮城県古川黎明高等学校3年)。「私の復興の定義は原発事故が過去のものになることだ。総合的で複合的な議論をすることで勉強していきたい」(日下雄太さん、 福島県立ふたば未来学園高等学校2年)。

「キトサン修飾ゼオライトで放射性物質を取り除く研究をしている。多くの課題が残っているが、少しでも前に進もうと努力する中に復興があるのだろう」(渡邊侑己さん、福島県立安積黎明高等学校2年)。「福島の農業の今を調べた。放射性物質の基準値を超える米はなかった。農家と消費者の信頼関係を構築し、見えない不安を見える信頼に変える農業にしたい」(安斎彩季さん、福島県立福島高等学校3年)。

「科学が心の復興と乖離しているのではないだろうか。科学と人が協働し、相互の不完全さを理解し尊敬し合うことが大切だ」(玉木穂香さん、岩手県立盛岡第三高等学校3年)。いずれも傾聴に値し、科学技術に携わる大人が忘れかけた側面を再認識させる効果もありました。

ノーベル賞受賞者で名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構の益川敏英機構長の対談やサイボーグ型ロボット「ロボットスーツHAL®」を開発した筑波大学システム情報系の山海嘉之教授(同大学サイバニクス研究センター長、CYBERDYNE株式会社 社長/CEO)の基調講演もあり、会場の高校生は目を光らせ、耳を傾けていました。

(JST事業主幹・鳥井弘之)