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「EUのオープン政策」講演会開催報告
2015年5月28日 JST東京本部サイエンスプラザ

現在、研究データや成果などをオープンにするとともに、社会に対し開かれた科学を実現する、オープンサイエンスと呼ばれる取り組みが進められようとしています。このテーマは、グローバルな研究・科学コミュニティにおいて注目されているとともに、今後の日欧連携を考えるうえでも不可欠なものです。JST・GRIPSの共催による本講演会では、欧州委員会研究イノベーション総局副総局長であるDr. BurtscherにEUのオープンサイエンス政策についてお話しいただくとともに、活発な議論が行われました。

欧州では、オープンサイエンスの概念を精緻化しつつ政策的な方向性を見定めるために、2014年7〜9月に広く一般市民に開かれた意見募集と複数のワークショップが行われました。その結果、オープンサイエンスによりもたらされる機会としては、科学研究の効率・生産性の向上(情報共有を通じた取り組みの重複の排除、有望な方向に向けての協働の喚起等)、科学と社会の健全な関係の構築、などが挙げられました。一方で、成果の品質保証に関する懸念、成果の出所が曖昧になることへの懸念、伝統的なピアレビューシステムを改変することへの抵抗感、既存のインフラが未統合である状態、オープンサイエンスによる利益に対する研究者の認識不足、などがオープンサイエンスの推進を阻害する要因として指摘されました。

意見募集等を踏まえ、欧州員会では、①研究成果の出版やデータの公開の障壁を取り除き、公開性を高める取り組み、②データへのアクセス、著作権、データ保護に対する規制、③オープンサイエンスのためのインフラ整備、④全てのレベルにおけるオープンサイエンスのための教育の推進、などを重視しています。また、欧州レベルでの研究管理システムの創出を検討しています。

日本においても、内閣府などを中心にオープンサイエンスに関する検討が進められています。広範なパラダイムシフトを起こすオープンサイエンスを戦略的に進めるために、今後も入念な検討が求められています。


Dr. Burtcherによる講演の様子


コメンテーターのJST大竹理事


司会者のJST有本上席フェロー


会場の様子