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携帯電話で感染症の封じ込め

地球規模課題対応国際科学技術協力(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development:SATREPS)
http://www.jst.go.jp/global/about.html


携帯電話でmSOS−エボラを用いた
テスト画面

アフリカでは、蚊やダニなどが媒介するウイルスによって、黄熱病やリフトバレー熱などの感染症の「アウトブレイク」と呼ばれる突発的な流行が何度も発生しています。ウイルスの侵入をいち早く検知し、緊急のワクチン接種や媒介する蚊やダニへの対策で早期に封じ込めることが、費用対効果の高い方法だと考えられます。しかし、これらの感染症には商業レベルで供給される安くて簡便な診断法がなく、警戒システムも有効に機能していません。

そこで、長崎大学熱帯医学研究所の森田公一所長らのグループは、同大学の熱帯ウイルス感染症の診断技術を応用した安価で迅速な「簡易診断キット」の開発と、アウトブレイクを阻止するための「早期警戒システム」の構築に2012年1月から取り組んでいます。これまでに簡易診断キットの開発と、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)を利用したアウトブレイク警戒システム「mSOS」の開発と試験運用などの成果を挙げました。

また、エボラ出血熱の疑い例を関係者が迅速に報告・対応するためにmSOSをベースに開発した「mSOS−エボラ」が2014年12月からケニア全国で使用が始まりました。エボラ出血熱が疑われる患者の元に出動する即応チームや、血液サンプルの検査を行うケニア中央医学研究所の技術者が使用法の訓練を受け、患者の情報や検査の診断結果が無料で瞬時に共有できるようになりました。

今後は国際的な早期封じ込め体制の整備を目指します。


mSOS−エボラのケニア保健省との打ち合わせの様子