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SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」第1回シンポジウム開催報告
2014年11月5日 東京大学武田ホール

2014年11月5日、東京大学武田ホールにて、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」第1回シンポジウムを開催いたしました。

SIPとは、内閣総理大臣を議長とする総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が司令塔となって科学技術イノベーションの実現を目指す、府省・分野を超えた横断型のプログラムです。CSTIが選定した課題に対して予算を配分し、各課題のPD(プログラムディレクター)指揮のもと、基礎研究から実用化・事業化までを見据え、推進していきます。

わが国のインフラは、高度経済成長期に集中的に整備され、現在は老朽化による重大事故リスクや、維持補修費の急激な増加が懸念されています。2012年の笹子トンネル崩落事故は、まさにその事例と言えるでしょう。SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」は、世界最先端の構造材料技術とセンサーやロボット等のICRT*等の新技術に基づくシステム化されたインフラマネジメントを活用し、国内重要インフラの高い維持管理水準での維持、魅力ある継続的な維持管理市場の創造、その成果を海外に展開する礎の構築を目標としています。

研究開発が本格化する時期に合わせて開催された第1回シンポジウムは、内閣府ならびに管理法人であるJST及び独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の3者合同で主催のもと、一般公開で実施されました。PD、サブPD、専門家、内閣府、関係省庁、また研究責任者、共同研究者等の研究関係者のほか、一般参加者も含め総勢300名余りが参加する大変に活気ある会議となりました。

シンポジウム開催にあたり、CSTIの久間和生議員よりご挨拶をいただきました。続いて、藤野陽三PD(横浜国立大学特任教授)よりSIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」の概要及び運営方針の説明が行われました。その後、研究開発内容ごとに設定された7つのセッションでは、JST、NEDO及び国土交通省が担当している合計40件の研究開発について、各研究責任者等から内容説明、目標、現場への適用イメージ、意気込み等が発表されました。各セッションでは、当該分野の第一人者である座長の先生方の進行のもと、質疑応答や活発な意見交換が行われ、締めくくりとなる全体討議の時間も藤野PDを中心に、今後の展開や目指すべき方向性等について熱気あふれる議論が交わされました。

本シンポジウムは、研究開発チーム間の相互理解を深めるきっかけとなるとともに、今後の連携構築に向けた大きなステップとなりました。今後も、日本の成長戦略や安心・安全な国づくり、そして科学技術イノベーション実現のため、府省や分野の枠を超えて各機関と連携しながら、より一層の努力をしてまいります。

*ICRT: ICT(Information and Communication Technology)+IRT(Information and Robot Technology)


会場風景


意見交換


藤野PD