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国際ヒトエピゲノムコンソーシアム年次総会参加報告
2014年10月6日〜8日 カナダ・バンクーバー

国際ヒトエピゲノムコンソーシアム(International Human Epigenome Consortium; IHEC)の6回目の年次総会が、カナダ保健研究機構(CIHR)が主催の下、カナダ・バンクーバーにおいて、開催されました。IHECは各国が協調して健康と疾患に関連する重要なヒト細胞のエピゲノム(※)のうち、1,000以上の解読を目標とした国際コンソーシアムです。独立行政法人科学技術振興機構(JST)は、CREST「エピゲノム研究に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出」研究領域(※※)における一部の課題でIHECとの連携を進めています。

本年の年次総会は、10月6日〜8日まで3日間の日程で行われ、カナダ・EU・ドイツ・韓国・米国・シンガポール・イギリス・日本から200名を超える参加者が集い、各国の進捗状況や今後取り組むべき科学技術上の課題を共有する上で極めて有意義な場となりました。

1日目は、データの取り扱いや市民との情報共有などIHEC運営上の課題について議論を進めている7つのワーキンググループに分かれ、1年間の進捗状況と今後の課題について話し合われました。2日目・3日目はEXEC(各国のファンディングエージェンシーによる委員会)、ISSC(各国の研究者による委員会)の代表から1年間の進捗状況が報告され、研究成果の一部は既に公開され、国際的な雑誌に掲載され始めていることが紹介されました。その後、IHEC参加各国の研究者からの最先端の研究紹介となり、日本の研究プロジェクトからは、金井弥栄分野長(国立がん研究センター研究所 分子病理分野)と、伊藤隆司教授(九州大学 大学院医学研究院)が発表を行いました。その後、当該CREST研究領域の牛島俊和副研究総括が、所属するワーキンググループ(Cell and Tissue coordination)の代表として登壇しました。

本年度の年次総会では、昨年度に比べ、多くの研究者の発表時間枠が設けられました。さらに、IHECの展望について話し合うセッションが初めて導入され、各国の研究者とファンディングエージェンシーの職員がそれぞれの立場から、今後の方針・方向性について熱い議論を交わし、会場は大いに盛り上がりました。

次回の年次総会は、2015年11月16日〜18日に日本で開催される予定です。今後1年間でさらにエピゲノム研究が発展することが期待されます。

(※)エピゲノムとは各細胞のゲノムが化学修飾などを受けて遺伝子の発現が後天的に調節される仕組みです。具体的な修飾様式として、DNAのメチル化、DNAが巻き付くヒストンタンパク質のメチル化・アセチル化、非翻訳RNAなどがあります。その異常は様々なヒト疾患の原因となると予測されています。詳しくは、http://crest-ihec.jpをご覧下さい。

(※※)JSTは2011年5月にIHECに参画しました。2011年発足のCREST「エピゲノム研究に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出」研究領域(研究総括:山本雅之、副研究総括:牛島俊和)では、エピゲノムの変動と維持に関する新原理の発見や画期的な予防・診断・治療法に資する基盤技術を目指すとともにIHECに貢献する標準エピゲノム解析を推進しています。


ポスター発表風景


会議場の様子


研究者登壇その1


東京での再会を約束


集合写真