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「トムソン・ロイター引用栄誉賞」発表 ~日本人研究者3名が選出、うち2名はJST戦略的創造研究推進事業の出身~
2013年09月25日

トムソン・ロイター(本社:米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都港区)は同日、「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を発表し、3名の日本人研究者が選出されることとなりました(総勢は28名)。

<医学・生理学>
大隅 良典東京工業大学フロンティア研究機構 特任教授
水島 昇東京大学大学院医学系研究科 教授
受賞理由:「オートファジーの分子メカニズムおよび生理学的機能の解明」※1
※1 ダニエル・クリオンスキー ミシガン大学教授との共同受賞

<物理学>
細野 秀雄東京工業大学 フロンティア研究機構&応用セラミックス研究所 教授
同学 元素戦略研究センター長
受賞理由:「鉄系超伝導体の発見」

同賞は、過去20年以上にわたる学術論文の被引用数に基づいて、化学、物理学、医学・生理学、経済学分野の上位0.1パーセントにランクする研究者で特に注目すべき研究領域のリーダーと目される研究者の中から選ばれています。また学術論文の引用とノーベル賞受賞者に対する評価は強い相互関係があることから、「ノーベル賞有力候補者」として発表されています。

今回本賞を受賞された3名の日本人研究者のうち、2名の方は、過去にJSTの戦略的創造研究推進事業において研究を進められ、本賞のもととなった研究成果を上げられました。
今回の受賞に際し、水島教授と細野教授は、以下のようなコメントを述べておられます。

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水島 昇 教授

水島 昇 教授
・JSTさきがけ「素過程と連携」研究領域
研究課題:オートファジーの分子機構と生理的役割
研究期間:1999~2002年度
・JSTさきがけ「タイムシグナルと制御」研究領域
研究課題:哺乳動物におけるオートファジーの役割とその制御機構
研究期間:2002~2005年度
・JST発展研究(SORST)
研究課題:オートファジーによる細胞内クリアランス機構
研究期間:2006~2007年度

<水島教授の受賞に際してのコメント>
『細胞の内部での分解「オートファジー」には不思議がたくさんつまっています。予想しないことが次々と見つかるということは楽しくエキサイティングなことであり、そのような研究に携わることができたのは大変な幸せです。細胞内リサイクルにはさらに不思議がありそうです。』

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細野 秀雄 教授

細野 秀雄 教授
・JST ERATO-SORST
研究課題:透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓と応用展開
研究期間:2004~2009年度※2
※2 細野教授は、ERATO-SORSTの前身として、1999~2004年度の間、ERATO細野透明電子活性プロジェクトの総括責任者を務められました。

<細野教授の受賞に際してのコメント>
『鉄系超伝導体は、新型ディスプレイに応用が始まったIGZO薄膜トランジスタを生み出した、透明酸化物半導体の研究を拡張する試みの中で発見できました。共同研究者とJST、東工大の支援のおかげです。これからも物質科学の新領域の開拓と材料への展開に精進したいと思います。』

(JST戦略研究推進部/研究プロジェクト推進部)