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第5回アフリカ開発会議(TICAD X)の活動に参加して〜SATREPS学生インターン体験記
理解者・協力者連携促進員 佐藤史織、守屋恵美(筑波大2年)
2013年05月31日〜06月03日 パシフィコ横浜アネックスホール


SATREPSの展示ブースを訪れたスイス人の女性(中央)に各プロジェクトの説明をする学生インターンの佐藤さん(左端)と守屋さん(右端)


TICAD Xの会期中、多くの人たちが訪れたSATREPSの展示ブース

05月31日から06月03日にかけ、パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい1)で開催された「第5回アフリカ開発会議」(TICAD X)のサイドイベントおよびSATREPSブース展示に、SATREPS学生インターンの佐藤史織さん(筑波大2年生)、守屋恵美さん(同)に参加してもらいました。彼女たちからの報告です。

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私は06月02日(日)の朝から夕方まで、アネックスホールで開かれていた公式サイドイベントや、SATREPSブースでのプロジェクト紹介に参加し、アフリカの国々の方々はもちろん、開発支援を行う先進国の方々にも出会いました。国際色豊かな風景は見慣れておらず、それだけで新鮮で楽しかったです。また、アフリカに興味を持つ日本の学生も会場に来ていました。自分も含め、現地での活動に触れる機会となり、よい経験となったと思います。

私が参加したのは「栄養改善の世界同盟」(GAIN)が主催する「経済成長と健康を促す農業改革」というシンポジウムです。タンザニアのジャカヤ・ムリショ・キクウェテ大統領が参加し、「資源を結集させ、農業の成長を最優先課題としたい」と発言したことが印象に残っています。タンザニアでは、非効率な農業や脆弱な教育基盤などが原因となり、難しい問題を引き起こしていることがわかりました。国家のトップの指導力が大事である反面、タンザニアが相手国のSATREPSプロジェクトはまだなく、今後、相手国のニーズに合致した、日本の研究機関との共同研究の枠組み構築が期待されています。

公式サイドイベント会場に作られたSATREPSブースには、世界各国からさまざまな方が訪れていました。その中でも、日本に住み、NGO活動に参加するスイス人女性とのやりとりは興味深く覚えています。私たちの拙い英語を一生懸命聞いてくださり、楽しくSATREPSについて説明することができました。最後に「ガンバッテネ!」と激励してくださり、ブース展示が終わる午後6時過ぎまで説明役をやり通すことができました。

他のブースへもSATREPSの宣伝やご挨拶にうかがいました。とくにカラフルなザンビアの民族衣装を着た女性たちのいる「ワンプラネット・ペーパー協会」が記憶に残っています。バナナの茎を原料にして紙製品を作り、フェアトレードによる適正価格で先進国に販売しようという試みです。バナナの葉が包装や調理に使えることは知っていましたが、バナナの茎にこうした用途があるとは思いつきませんでした。【佐藤史織】

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SATREPSブースの展示には、日本人の学生や企業の方などさまざまな方が訪れました。途上国への技術移転に関する質問が多く、それぞれの国や研究テーマごとに質問を受けました。アフリカの20課題すべての写真を展示していたので助かりました。写真はその課題の意味や具体的な活動を伝えるうえで、大きな力を持つのだと感じました。地球規模課題の研究の現状に驚く人も多く、SATREPSプログラムの底力を感じました。

イベント会場には他にも多くのブースがあり、アフリカ支援をする団体や相手国アフリカの方々と交流するよい機会にもなりました。SATREPSプログラムは国際科学技術協力の集合体とみることもできますが、個別プロジェクトの中身を見れば、環境・エネルギー、生物資源、感染症などそれぞれがが非常に興味深い内容です。これまで私は学生インターンとして活動してきましたが、深い部分まで伝える努力が不足していたかもしれないと振り返りました。

難民の帰還などを支援しているNPO法人「ジャパン・プラットフォーム」が主催する公式サイドイベント「アフリカで人道支援ってどうやっているの?〜NGOによるアフリカでの苦労・驚き・感動の奮闘記〜」では、支援の難しさについて気づかせられました。南スーダンは雨期、車道は泥沼となり、現地に行くまで1日かかることもあるそうです。支援後も現地の人が自ら使えるような仕組みづくりが必要で、「支援されることが当たり前になってもいけない」という意見も伺いました。

SATREPSの各プロジェクトの研究者は、現地で日々奔走しています。たとえば、一つの研究施設を作るのも水道管を作るところから始めねばならないことや、大きな氷山の頂上まで重い機材を担いで登ることもあります。制度や仕組み、成果以外にも、そうした目に見えない苦労を、SATREPS学生インターンである私たちとしてもよく把握し、皆様に伝えていきたいと思います。【守屋恵美】

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SATREPSのブースには05月31日から06月03日までの会期中、アフリカの政府・企業関係者やNGO、日本の学生、地域の方々など延べ800人が訪れました。ありがとうございました。

  • 【関連するリンク】
  • SATREPS
  • http://www.jst.go.jp/global/
  • 地球規模課題対応国際科学技術協力(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)の略語。独立行政法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で助成し、地球規模課題解決のために日本と開発途上国の研究者が共同で研究を行う3〜5年間のプログラムです。39カ国78のプロジェクトが実施されています。
  • 第5回アフリカ開発会議(TICAD X)
  • http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/tc5/
  • 外務省の公式ホームーページです。今回の会議にかかわる概要、議事、評価、さらに公式サイドイベントの情報などを掲載しています。