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御子柴博士が米国 国立衛生研究所で名誉ある講演を実施
2013年04月30日 アメリカ 国立衛生研究所


左から、Putney 博士、御子柴博士、Rodbell 夫人、NIEHSの Birnbaum 所長

記念品として授与されたブロンズ像。黒大理石の台に、Rodbell 博士ご自身の手をかたどっている。G蛋白質をテーマにして、「G蛋白質が次の分子に情報を伝えて、最終分子へと伝わる様子」を交差点の「青―黄―赤」の信号になぞらえている。

2013年04月30日、理化学研究所脳科学総合研究センターの御子柴克彦シニア・チームリーダーが、米国 国立衛生研究所(NIH: National Institutes of Health)より、Dr. Martin Rodbell Lecture の歴代15人目のセミナー講演者として招待されました。

Dr. Martin Rodbell Lecture は、1994年にGタンパク質およびそれらの細胞内情報伝達に関する役割の発見によりノーベル生理学・医学賞を受賞した Martin Rodbell 博士が1998年に講演を行ったことを機に、その後、例年開催されている、世界の研究者にとって特別な名誉あるものです。歴代の講演者には、昨年のノーベル化学賞受賞者である Robert J. Lefkowitz 博士をはじめ、著名な研究者が名を連ねています。

御子柴博士は、1989年のイノシトール3リン酸(IP3)受容体の発見後、JSTのERATO御子柴細胞制御プロジェクト(1995-2000年)とICORP及びそれに続くSORSTのカルシウム振動プロジェクト(2001-2005年及び2006-2011年)の代表研究者として、IP3受容体による細胞内のカルシウムイオン(Ca2+)濃度の調節機構と生理機能の発現、疾病との関連等、IP3受容体に関する包括的な研究を行い、世界的にも卓越した成果を上げてこられました。

今回の講演のホストとなったNIHの国立環境健康科学研究所(NIEHS: National Institute of Environmental Health Sciences)のカルシウム制御グループ長 James Putney 博士は、このような御子柴博士の業績を Rodbell 博士のそれになずらえ、“当初誰もが理解しえなかった現象を世界に先駆けて発見し、さらに、生物医学研究の新たな一領域を築くまでに発展させた”ものとして評価しています。