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JST主催 文部科学省後援 シンポジウム 「基礎研究が拓くがん克服の未来」 開催報告
2013年05月13日 東京大学理学部 小柴ホール

「基礎研究 × □ = がんをK.O.(ノックアウト)」。この等式の空欄に入る答えは何でしょうか。シンポジウム「基礎研究が拓くがん克服の未来」は、この等式をキャッチコピーとして開催されました。

がんは世界でも主要な死因の一つとなっており、がん克服を目指す研究が進められています。本シンポジウムは、戦略的創造研究推進事業で推進している間野博行先生(東京大学大学院医学系研究科教授)の「新規がん遺伝子同定プロジェクト」および浦野泰照先生(東京大学大学院医学系研究科教授)の「光機能性プローブによるin vivo微小がん検出プロジェクト」の成果を紹介するとともに、がん基礎研究の成果がどのように社会に還元されるのか、そのために何が必要かを議論することを目的に開催されました。

基調講演では、宮園浩平先生(東京大学大学院医学系研究科長)より、ご自身の研究成果も交えながら、がん研究の面白さや難しさをお話いただきました。引き続き、間野先生からは肺がんの原因遺伝子の発見と創薬に至る道のりについて、浦野先生からは小さながんでも明るく光らせる技術の開発と医療応用の可能性について、ご講演いただきました。いずれも、がん死亡率の軽減が期待される画期的な研究成果で、フロアからは今後の医療応用の可能性について質問がありました。

シンポジウム後半は、吉田光昭先生(がん研究会 がん化学療法センター 所長)をモデレータとして、「基礎研究から次のステージへ」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。間野先生と浦野先生の他、産業・技術移転・メディア・行政それぞれのコミュニティからご参加いただいた4人のパネリストとともに、基礎研究からのイノベーション創出に向けて、今後必要な取り組みや課題について議論しました。コミュニティ同士の連携体制の構築やそのためのコミュニケーションツールの整備から、ベンチャー支援まで幅広に議論する貴重な場となりました。「基礎研究 × □ = がんをK.O.」の等式の空欄を埋める答えはさまざまであり、参加者からも「それぞれの考えを知る良い機会となった」と感想をいただきました。

最後に、「課題解決に向けて、<誰が>、<いつ>、<どのように>仕掛けていくのか」が今後は重要となること、そのためには引き続き、克服すべき課題や各コミュニティの立場についてお互いに学び、議論を行う本シンポジウムのような場が必要であると、吉田先生からお話いただき、閉会となりました。

  • 「新規がん遺伝子同定プロジェクト」(研究代表者:間野博行)
  • http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/kasokuh21-1.html
  • 「光機能性プローブによるin vivo微小がん検出プロジェクト」(研究代表者:浦野泰照)
  • http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research_area/ongoing/kasokuh21-2.html