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CREST「生命動態」研究領域 セミナー “ Towards Deeper Understanding of Biodynamic Principles” 開催報告
2012年12月3日(月)沖縄科学技術大学院大学(OIST)

CREST「生命動態の理解と制御のための基盤技術の創出」研究領域
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah23-5.html

JST-CREST「生命動態の理解と制御のための基盤技術の創出」研究領域(研究総括:山本 雅 沖縄科学技術大学院大学 教授)は、沖縄科学技術大学院大学(ジョナサン・ドーファン 理事長/学長)において12月3日に公開CRESTセミナーを開催しました。

「生命動態」研究は、2次元・3次元の空間軸に対して時間軸を加えた動的情報を用い、生命現象を数理モデルにより再現・予測し、更には科学的に検証することで、動的且つ複雑な生命現象の作動原理を制御する「鍵」を見出し、制御・設計するというサイクル全体を包含した研究であるとCREST「生命動態」領域では位置づけています。

本セミナーは、21世紀の新しい生命科学の潮流といえる「生命動態」研究を、CRESTのアドバイザーやOISTの研究者の講演と、OIST、琉球大学をはじめ、沖縄各地からの参加者とのディスカッションを通じ、当該分野のより一層の浸透を図ることを目指して開催されたものです。約3時間にわたる本セミナーには、延べ100名程度の来場者を数えました。

Welcome Remarks では、ジョナサン・ドーファン OIST理事長/学長から、OISTの紹介に続いて「生命動態」研究への期待が述べられました。続くIntroductory Remarksでは、山本雅 研究総括より、「生命動態」領域のねらいについて述べられました。

更に、上田泰己 研究総括(さきがけ「細胞機能の構成的な理解と制御」領域/理化学研究所・プロジェクトリーダー)より、「哺乳類概日時計のシステムバイオロジー」と題して、さきがけ領域の紹介に続き、F1レースを例に挙げた、周期的な振る舞い(振動)を作る自律振動子の具体的な仕組みや作成法に関するご講演を頂きました。ロバート・シンクレア OIST准教授からは、「生物振動のストレスの定量化に向けて」と題した、生命科学と数理科学の融合研究への道筋に関する示唆的な講演を頂きました。3番目の講演は、鈴木貴 領域アドバイザー(大阪大学・教授)より、「がん研究における数学的手法:ボトムアップ&トップダウンモデリング」と題して、がん細胞の湿潤プロセスを数理モデリングで再現する試み等についてご講演頂きました。4番目の講演として、中野明彦 領域アドバイザー(東京大学・教授/理化学研究所・主任研究員)より、「超高解像度共焦点レーザー顕微鏡システム(SCLIM):細胞生物学における最先端機器」と題して、SCLIMの開発研究や膜交通のさまざまな局面(小胞体-ゴルジ体間輸送、等)についてご講演頂きました。いずれの講演も、本領域の「ねらい」を達成する上で、乗り越えるべき課題を明らかにする上で、極めて示唆に富んだ内容でした。

閉会の挨拶では、ロバート・バックマン OIST上級副学長より、生命動態分野への期待が述べられました。また、石正 茂 JST・戦略研究推進部長からも、本領域・研究分野から、イノベーションシーズが生み出されることへの期待が述べられました。

最後に、JSTおよび研究領域の趣旨にご理解、ご賛同を頂きましたOISTの皆様に深く感謝いたします。