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第3回ファンディング機関長会合(FAPM : the Funding Agency Presidents' Meeting)の開催について

ファンディング機関長会合 https://www.jst.go.jp/inter/symposium/fapm.html

JSTとドイツ研究振興協会(DFG)は、世界のファンディング機関が共通して抱える関心事項や課題について、機関長間による率直な議論を通じて、知見の共有、連携の促進等を行うことを目的として、2010年より「ファンディング機関長会合(FAPM : the Funding Agency Presidents' Meeting)」を共催しております。今年も「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」第9回年次総会の機会を活用して、2012年10月8日(月)に京都にて第3回会合を開催いたしました。

今年は、マティアス・クライナーDFG会長と中村道治JST理事長が共同議長を務め、世界19カ国より総勢26名のファンディング機関の代表者が一堂に会し、「科学の健全性の確保と科学者の行動規範にかかるファンディング機関の役割」、「科学技術関連情報のオープンアクセスの重要性」、「研究者の発想に基づくファンディング(ボトムアップ型)と政策に基づくファンディング(トップダウン型)の運営」の3つの議題について活発な議論が行われました。

「科学の健全性の確保と科学者の行動規範にかかるファンディング機関の役割」については、行動規範の重要性を確認し、ファンディング機関の役割として、その啓蒙活動等が挙げられました。さらに、研究活動のグローバル化が加速する今日においては、各国の行動規範を共有することも重要であるため、今後ファンディング機関が当機関長会合やグローバル・リサーチカウンシルを活用して、情報共有に継続して取り組むこととなりました。

「科学技術関連情報のオープンアクセスの重要性」については、様々な検討課題はあるものの、オープンアクセスに向けて検討を進めるべきであることが確認されました。一方、出版業界等の商業界にも影響を与えるため、慎重に取り組むべきであることも言及されました。

「研究者の発想に基づくファンディング(ボトムアップ型)と政策に基づくファンディング(トップダウン型)の運営」については、どちらのファンディングスキームも重要であることが改めて確認されました。そして、世界的な傾向として、「研究者の自由な発想に基づくファンディング」から「政策に基づくファンディング」へのシフトが見られるが、経済的な要因により基礎研究への投資を減らすべきでないと指摘されました。

最後に中村理事長が来年も引き続きファンディング機関長会合を開催することを宣言し、一同より賛同を得ました。 サマリーについては後日ファンディング機関長会合のWEBサイトに掲載予定です。
https://www.jst.go.jp/inter/symposium/fapm.html

※  グローバル・リサーチカウンシル(Global Research Council) 2012年5月に、米国国立科学財団(NSF)スブラ・スレシュ長官の呼びかけにより設立された世界の各国約50のファンディング機関長がメンバーとなる。毎年総会(サミット)を開催し、共通して抱える課題について議論する。 http://www.globalresearchcouncil.org/