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Topological lightwave synthesis and its applications(T-LWS2012)開催報告
2012年7月5日(木)〜6日(金)千葉大学自然科学研究科大会議室


集合写真


ポスターセッション

CREST研究領域「先端光源を駆使した光科学・光技術の融合展開」における研究課題「トポロジカル光波の全角運動量による新規ナノ構造・物性の創出」(研究代表者:尾松孝茂 千葉大学大学院融合科学研究科教授)主催のTopological lightwave synthesis and its applications, T-LWS2012が千葉大学自然科学研究科大会議室にて7月5日、6日の2日間にわたり開催された。基調講演2件、招待講演16件、口頭講演3件(ポスター発表18件)に対し、参加登録者は75名を数え大成功に終了した。

波面のトポロジカルな構造から現れる軌道角運動量と円偏光に由来するスピン角運動量の和「全角運動量」を有する光波をトポロジカル光波と呼ぶ。近年、トポロジカル光波の有するドーナツ型強度分布と全角運動量を利用した物質構造制御、超解像分光、空間多重光通信などの応用研究が次々に実証されるようになり、研究がにわかに活発化している。

T-LWS2012では、トポロジカル光波に関連した研究を行っている第一線の研究者が一堂に会し、情報交換や研究討論を行い、トポロジカル光波のさらなる応用展開を目指すことを目的として開催した。

初日、トポロジカル光波の黎明期から研究に携わってきたグラスゴー大学のM. Padgett教授にトポロジカル光波の理論と量子光学への応用、特に、如何にして1光子における軌道角運動量を計測するか、について基調講演を頂いた。引き続き、固体レーザー(千葉大)、ファイバーレーザー(漢陽大、マッコリ―大学)、半導体レーザー(京大)、さらには、超短パルスレーザー(北大)の立場から如何にしてトポロジカル光波を高効率に高出力に発生させるか、という光源開発に関する招待講演を国内外の研究者から拝聴した。トポロジカル光波の応用のための根幹をなすのが、光源技術である。レーザー出力で10Wレベル、パルス幅で6フェムト秒以下の実用的な光源開発が着実に進んでいるのが印象的であった。

二日目は、セントアンドリュース大学のK. Dholakia教授から、如何にして軌道角運動量を基底にしてトポロジカル光波をモード展開するか、という基調講演を頂いた。講演の中では、バイオフォトニクスに関する研究例がムービーで紹介され聴衆の興味を引いた。また、トポロジカル光波が発生する軸上電場やドーナツ型強度分布を用いた3次元超解像分光(東北大、オリンパス)や空間多重通信(NICT)、さらには、物質のカイラリティー制御(千葉大)など、トポロジカル光波の応用に関する講演があった。中でも、トポロジカル光波を用いた物質のカイラリティー制御に関する講演は質問が途切れることがなかった。トポロジカル光波の螺旋性が物質の構造に転写された実例として多くの聴衆の関心を引いた。

この他、トポロジカル光波のナノフォトニクスへの展開(マッコリ―大学)、テラヘルツ波領域のトポロジカル光波発生の可能性(東大)やスピン波とトポロジカル光波の相互作用の可能性(東大)などトポロジカル光波の新展開を予感させる魅力ある講演が続き、会場は終始大盛況であった。

クロージング・リマークでは、「トポロジカル光波の今後の継続と新しい光科学創成への発展を期待して、2014年に第2回目のT-LWS国際会議を開きたい」との声明があり、参加者全員の拍手で閉幕となった。


オーラルセッション