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Breakthrough of the Year 2011特別シンポジウム
「酸素を作り出す植物の仕組み−光合成の機能解明の現状と展望−」開催報告
2012年2月23日 日本橋三井ホール

JSTは、2月23日(木)、日本橋三井ホールにて、特別シンポジウム「酸素を作り出す植物の仕組み−光合成の機能解明の現状と展望−」を開催し、雨天の中、企業・研究者・メディア関係者など約200名余の方々にご参加いただきました。

このシンポジウムは、200年来の謎であった「光合成タンパク質の酸素発生部位の立体構造」の解明について、一般の方々にも広く知っていただくことを目的に企画しました。本成果は、米「Science」誌の2011年科学10大成果として、小惑星探査機「はやぶさ」と共に選ばれました。この研究を主導したのは、沈建仁さん(岡山大教授)と神谷信夫さん(大阪市立大教授)らですが、そのうち沈さんは、JST戦略的創造研究推進事業「さきがけ」の研究修了者です。

シンポジウムの前半では、まず、沈さんが光合成タンパク質の結晶化に取組むきっかけを作った井上頼直さん(理化学研究所 元理事)と、沈さんの「さきがけ」でのスーパーバイザーであった郷信広さん(「生体分子の形と機能」領域 元研究総括、京都大学名誉教授)が、「今回の成果を生み出したもの」と題して話をされました。続いて伊藤繁さん(名古屋大名誉教授)が、「光合成研究の現状と未来」と題し、動画などを交えつつ、光合成のメカニズムについて分かりやすく概説されました。その後、沈さんが「光化学系U膜タンパク質複合体の結晶化」を、神谷さんが「酸素発生反応の中心となる構造解析結果」と題してそれぞれ講演し、今回の成果に至るまでの歴史やエピソードも含めた発見の真髄を詳しくお話しいただきました。

シンポジウムの後半のパネルディスカッションでは、伊藤繁さんをコーディネイターに、パネリストには沈さん、神谷さんのほか、光合成及び関連分野で研究されている池内昌彦さん(東京大教授)、野口巧さん(名古屋大教授)、田中晃二さん(分子科学研究所教授)の3名を加えて、話題提供をいただきました。

この討論では、未来のクリーンエネルギーの礎と言われる今回の成果の位置づけについて、「今回の成果でいわば設計図がやっと手に入ったことで、詳細な光合成メカニズムの解明に取りかかることが可能になった。これからの光合成研究には、化学などの関連分野を含めたより広い連携が必要」など、会場の参加者も巻き込んだ活発な議論が交わされました。

シンポジウムには、沈さんや神谷さんの下で光合成タンパク質の結晶化や構造解析の研究を支えた川上恵典さんと梅名泰史さん(ともに大阪市立大学 特任准教授)も参加され、会場からは両氏の功績を称える大きな拍手がありました。

本シンポジウムの模様は、3月下旬にはサイエンスニュース(及びYoutube・ニコニコ動画)で配信される予定です。

シンポジウムの詳細は以下のURLからご覧ください。

  • http://math.jst.go.jp/event/sympo.html

開催案内

  • http://math.jst.go.jp/event/leaflet.pdf

沈氏、神谷氏インタビュー「光合成、残された最大のナゾを解明」−Science Portal−

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