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光学顕微鏡の超解像技術に関する国際シンポジウム“Super Imaging 2011” 開催報告
2011年12月12日 オークラアクトシティホテル浜松

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光学顕微鏡の超解像技術に関する国際シンポジウム “Super Imaging 2011” が2011年12月12日(月)、オークラアクトシティホテル浜松にて開催されました。このシンポジウムは、CREST研究領域「先端光源を駆使した光科学・光技術の融合展開」における研究課題「電子線励起微小光源による光ナノイメージング」(研究代表者: 川田 善正 静岡大学工学部教授)の国際強化支援策として実施されたものです。

本国際シンポジウムでは、光学顕微鏡の分解能の限界を超える技術にフォーカスし、それらの技術の現状と将来性、応用について議論しました。現在、様々な光学顕微鏡の超解像技術が提案され、多くの方から興味を持たれている分野であるため、日本全国の大学および研究所、企業の方が多数参加し、280名を超える参加者が集結しました。地方開催のシンポジウムであり、また1日のみのシンポジウムであるにも関わらず、このような多数の参加者となったことからも、この分野の注目の高さを知ることができると思います。また海外から参加された方々もおられ、国際色豊かなシンポジウムとなりました。

今回のシンポジウムでは、まず多光子励起顕微鏡の発明者である Winfired Denk先生が基調講演をされました。Denk先生は、電子顕微鏡と光学顕微鏡を駆使して、脳の微細な構造を解析する手法について紹介しました。理化学研究所の佐甲先生は、ローカライゼーション顕微鏡を利用して、細胞膜のレセプターを観察する手法について紹介し、Masud Mansuripur先生は、局在プラズモンを用いて高密度光メモリを実現する手法について講演しました。

共焦点顕微鏡の先駆者であるTony Wilson先生は、高速に試料のセクショニングおよびフォーカスを実現可能な光学系について紹介し、その応用について講演しました。京都大学のPeter Carlton先生は、構造化照明法による高分解能化技術の原理とその応用を紹介し、理化学研究所の中野先生は、マルチスポット共焦点顕微鏡を用いて、高速かつ高分解能で細胞内のゴルジ体を観察結果について紹介しました。Michael Hausma先生およびPakorn Kanchanawong先生は、ローカライゼーション顕微法を用いて、高分解能を実現する技術について紹介しました。

CRESTの本領域からも4件の講演が行われ、まず、我々の研究チームから、現在開発を進めている電子線励起微小光源を用いた光ナノイメージング法の原理および分解能評価の実験結果を紹介しました。さらに、バイオ試料を観察した結果およびその問題点を、浜松医科大学の寺川先生が講演し、これまでの成果を発信しました。同じ領域内で関連の深い研究チームとして、東北大学の佐藤先生が、ベクトルビームを用いた超解像技術について講演し、京都大学の田中先生がテラヘルツ領域における近接場イメージング法について紹介しました。

本シンポジウムでは、講演だけではなく、レーザ顕微鏡研究会の協力により、ランチョンセミナー、展示会も併設され、12社の企業の展示も行われました。休憩時間、昼食時間に多くの参加者が最新の製品紹介に興味を持っている姿が見受けられました。

非常に多くの参加者から第2回の開催も要望されるなど、本シンポジウムを高く評価していただき、盛会のうちに終了致しました。今回のシンポジウムでの超解像技術の現状と将来性の議論を契機に、世界に先駆けた研究が進展することが期待されます。