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2011年タイ国水害調査緊急報告会及び緊急シンポジウムの開催について
-緊急報告会:2011年11月25日(金)東京大学生産技術研究所
緊急シンポジウム:2011年12月1日(木)バンコク-


タイ国で開催されたSATREPSの2プロジェクト合同緊急シンポジウム会場の様子。タイ国副首相を含む200名超が参加。

タイ国チャオプラヤ川にて、50年に一度と言われる大規模な洪水被害が出ています。東京大学の沖大幹教授らは、SATREPS注1の支援を得て現地調査を実施し、タイ国水害調査結果について、記者向けの緊急報告会を2011年11月25日に実施しました。

報告会では、雨季である2011年の5月から10月にかけての降雨は例年(1982年~2002年の期間での比較)の約1.4倍(143%)で、今回の洪水の誘因は例年以上の降雨と言えることが発表されました。また、日系企業が多く立地するチャオプラヤ川左岸(東側)の工業団地の上流にある堤防が8カ所決壊し、50億トン超の水があふれ出たことが明らかになりました。

また、12月1日には、SATREPSの水分野の他プロジェクトとの共催で、「2011 Chaophraya river flood -How can we save our society by Science & Technology from water related disaster? -」(2011年のチャオプラヤ川洪水:我々はどのようにして科学技術を用いて水関連災害から我々の社会を守るのか?)と題した緊急シンポジウム注2を、バンコクにて開催しました。

シンポジウムでは、200名を超える参加者に加え、キティラット・タイ副首相兼商務相が参加し、最後まで両国の研究者による発表に耳を傾けられ、本プロジェクトの成果への期待が表明されました。

沖大幹教授のプロジェクトでは、タイ国カセサート大学などの現地機関と連携して、水分野における気候変動への適応策立案・実施支援システムをタイ国に構築するために取り組んでおり、今後も、今回のタイ洪水に関連した追加調査を実施する予定です。

注1) SATREPSとは、地球規模課題対応国際科学技術協力(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)の略称で、JSTとJICAの支援の下、日本と途上国が二人三脚で研究を行う国際科学技術協力プログラムです。

注2) 本緊急シンポジウムは、SATREPSの下記2プロジェクト合同で開催されました。

平成20年度採択「気候変動に対する水分野の適応策立案・実施支援システムの構築」(沖大幹教授/東京大学)

平成20年度採択「熱帯地域に適した水再利用技術の研究開発」(山本和夫教授/東京大学)

記者懇談会緊急報告会 2011年タイ国水害調査結果 (第4報) (2011年11月25日開催)

東京大学 生産技術研究所 沖研究室ホームページ

IMPAC‐T / WateR‐InTro Joint Symposium 「2011 Chaophraya river flood -How can we save our society by Science & Technology from water related disaster?-」プログラム (2011年12月1日開催)