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EUVレジスト国際シンポジウム開催報告
−2010年11月17日(水)、18日(木) 大阪大学中之島センター−

EUVレジスト国際シンポジウム開催報告_1 
EUVレジスト国際シンポジウム開催報告_2 
EUVレジスト国際シンポジウム開催報告_3 

CREST研究領域「次世代エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新材料・プロセス研究」において推進中の研究課題「極微細加工用レジスト研究とプロセスシミュレーターの開発」(研究代表者:田川精一 大阪大学 産業科学研究所 特任教授)の研究開発の主要テーマであるEUVレジストの研究開発を主題とした国際シンポジウムを、2010年11月17日、18日の2日間、大阪大学中之島センターにおいて開催しました。

EUVリソグラフィは次世代リソグラフィの本命技術と位置付けられ、各要素技術の開発が加速されていますが、とりわけEUVレジストは露光光源開発と相補的な関係にあり、EUVリソグラフィの実現のキーテクノロジーとなっています。EUVレジストは光化学の知識ベースから放射線化学の知識ベースへという基礎基盤の大変換があり、まだ研究開発の余地が多く残っています。現在JST/CRESTの研究グループはEUVレジストの基礎となる科学技術で世界を牽引していますが、今回レジスト及びその周辺技術に特化した国際シンポジウムを開催し、この分野で現在活躍している中核研究者を世界中から集めて、議論を深めることにより、世界でのEUVレジスト技術進展とEUVリソグラフィ実現・高度化への加速を目的としました。海外からは、Stefan Wurm 博士(セマテック)、Andrew Whittaker 教授(クイーズランド大)、Alex Robinson 教授(バーミンガム大)、Robert Brainard 准教授(ニューヨーク州立大アルバニー)、Patric Naulleau 博士(ローレンスバークレイ国立研究所)、Wang Yueh 博士(インテル)の6名、国内からは、木下博雄 教授(兵庫県立大)、岡崎信次 博士(技術研究組合極端紫外線露光システム技術開発機構)、森一朗 博士(半導体先端テクノロジーズ)、西久保忠臣 教授(神奈川大)、白井正充 教授(大阪府立大)、東木達彦 博士(東芝)、井谷俊郎 博士(半導体先端テクノロジーズ)の7名、全13名の世界の第一線で中心的に活躍中の研究者を招待講演者として招へいしました。これらの招待講演者と5名の一般講演者から最先端の研究成果を講演いただくとともに、本CRESTグループからは5名が話題提供し、総計74名の参加者を得ました。

1日目はEUVリソグラフィの進展(岡崎信次 博士(技術研究組合極端紫外線露光システム技術開発機構))、EUVリソグラフィの現状と展望(Stefan Wurm 博士(セマテック)、森一朗 博士(半導体先端テクノロジーズ))の3件の基調講演から始まり、EUVリソグラフィ、レジストの全体像を理解することができました。つづいてEUVリソグラフィのデバイス応用についての最新状況が、東木達彦 博士(東芝)から報告され、EUVレジストの先端研究についてPatric Naulleau 博士(ローレンスバークレイ国立研究所)、Wang Yueh 博士(インテル)、西久保忠臣 教授(神奈川大)より講演がありました。2日目はEUVリソグラフィの開発創始者である木下博雄 教授(兵庫県立大)の特別講演で、このリソグラフィの歴史と意義について触れることができました。Andrew Whittaker 教授(クイーズランド大)、Alex Robinson 教授(バーミンガム大)、Robert Brainard 准教授(ニューヨーク州立大アルバニー)、白井正充 教授(大阪府立大)、井谷俊郎 博士(半導体先端テクノロジーズ)のそれぞれのEUVレジストの先端研究の成果の報告、また、一般講演のレジスト、材料メーカ(JSR、東京応化、富士フィルム、信越化学、三菱ガス化学)からのレジスト材料に特化した報告は、本CREST研究遂行においても多くの参考となる知見を得ることができました。全体を通じて質疑、議論が活発で、国際シンポジムにふさわしい緊張感の中、大いに情報交換を行うことができました。また1日目の夜には多くの参加者を集めた懇親会を盛大に行い、参加者間のネットワーク構築に役立ちました。

本CRESTチームからは、EUVレジストプロセスの基礎研究(古澤孝弘)、EUVレジストの増感プロセス(山本洋輝)、EUVレジスト用酸増殖剤(榎本一之)、ポリマーのチャージダイナミクス(岡本一将)、EUVレジスト用酸発生剤の理論研究(遠藤政孝)に関する5件の発表を行い、研究成果を大いにアピールするとともに、多くの参加者と深い議論を交わしました。

多くの参加者より、EUVレジストに特化した本シンポジウムの意義を高く評価していただき、また、次回以降の開催を強く期待され、盛会のうちに終了できました。今回の国際シンポジウムを契機として、海外研究機関との交流もさらに発展させ、世界に先駆けたEUVレジスト研究開発をより積極的に加速していきます。