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第一回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミット開催報告
−2010年12月13日(月)〜12月14日(火) 筑波大学・大学会館−

第一回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミット開催報告_1 
第一回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミット開催報告_2 
第一回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミット開催報告_3 

CREST研究課題「オイル産生緑藻類Botryococcus(ボトリオコッカス)高アルカリ株の高度利用技術」(研究代表者:筑波大学大学院生命環境科学研究科教授、渡邉 信:CREST研究領域「二酸化炭素排出抑制に資する革新的技術の創出」)において、平成22年12月13〜14日の日程で「第一回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミット(The 1st Asia-Oceania Algae Innovation Summit)を、本サミット国際組織委員会、筑波大学、つくば3Eフォーラム(筑波研究学園都市交流協議会)、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(JST/CREST)、藻類産業創成コンソーシアムおよび内閣府の共催により、筑波大学・大学会館にて開催しました(参加者:247名でうち外国人参加者75名)。

本サミットでは、国際組織委員会、内閣府、韓国教育科学省、タイ科学技術省、オーストラリア貿易促進庁の代表者からの挨拶と3Eフォーラム バイオマスタスクフォースの代表者による活動状況の報告に引き続き、政策、産業技術、学術の3つのセッションで発表がなされました。政策については、日本からは文部科学省、経済産業省、農林水産省よりそれぞれの藻類バイオマス研究開発戦略が、韓国、中国、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、米国、オランダの科学技術政策関係者より各国の藻類開発政策が紹介されました。産業技術については、日本から3社、韓国、タイ、オーストラリア、米国、オランダからの企業が藻類利用にむけた産業技術開発の現状について紹介されました。いずれもシンポジウム形式で、それぞれにおいてパネルデイスカッションを1時間程度おこない、今後の課題や連携の方向性をまとめることができました。学術分野のセッションでは、シンポジウム形式をとらず、「次世代原料としての藻類の分離,スクリーニング,培養,特性評価」、「藻類の生理学,分子生物学,遺伝的改良」、「燃料・製品開発のための化学とバイオプロセス」、「廃水処理と藻類バイオマス生産」、および「大規模藻類バイオマス生産:設計,設備,実施」の5つの分野にわけて口頭発表、ポスター発表がおこなわれました。日本からは本CREST課題の代表者渡邉教授による成果の概要が紹介されたあと、CREST課題を中心とした34課題の発表が、外国からは36課題がなされ、いずれもオリジナリテイーのある内容であったため、活発な議論・意見交換がなされました。

本サミットで、本CRESTの研究課題の成果を国際的に発信することができたことから、科学、政策、産業技術の面から多くの意見をいただき、今後の研究の発展にとって有意義なものとなりました。サミット開催前に、本CREST課題の大きな成果であるボトリオコッカスよりも10倍以上の炭化水素生産効率をもつオーランチオキトリウムの発見がテレビニュースで報道されていたことから、大きな注目をうけ、14日の夕〜16日にかけて新聞でも報道されました。米国ロスアラモス国立研究所より参加していたOlivares博士は本CREST研究課題でえられた成果に高い関心を示し、ボトリオコッカスやオーランチオキトリウムについて共同研究の可能性を打診してきました。さらに、各国の開発方針、その地域の特徴、国際協力、情報・人材の交流等、関連する多くの問題について、各国の官、産、学の方々が一堂に会し、円卓テーブルについて、活発な意見を交換し、お互いの立場、状況を認識し合うこともできました。参加された多くの方から非常に有意義な会議であったと高い評価をうけており、米国エネルギー省から参加したYang博士からは米国内とはちがった状況がわかり非常に新鮮な知見がえられたとの評価をいただきました。このような評価を得たことから、本サミット会議を継続することが満場一致で合意されました。第二回アジア・オセアニア藻類イノベーションサミットは2012年に、韓国、中国、あるいはタイのいずれかで開催されることとなります。

サミットで発表された本CREST課題の成果は、2011年7月に世界最大の学術誌出版社であるElsevierの「Procedia Environmental Science」と「Bioresource Technology」(インパクトファクター 4.25)で印刷発表されます。このことによっても本CREST課題の成果が国際的に広く発信されることとなります。