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「International Workshop on Gaze Sensing and Interactions」 開催報告
−2010年11月08日(月) ニュージーランド クイーンズタウン−

「International Workshop on Gaze Sensing and Interactions」 開催報告_1 
「International Workshop on Gaze Sensing and Interactions」 開催報告_2 

CREST研究課題 「日常生活空間における人の注視の推定と誘導による情報支援基盤の実現」(研究代表者:東京大学教授 佐藤洋一:CREST研究領域「共生社会に向けた人間調和型情報技術の構築」)において、「International Workshop on Gaze Sensing and Interactions」を平成22年11月8日、ニュージーランドのクイーンズタウンにて開催しました。

これはコンピュータビジョン分野の国際会議である「The Tenth Asian Conference on Computer Vision (ACCV2010)」の併設ワークショップとして実施されたもので、海外研究者の招待講演2件、およびダブル・ブラインド方式の査読プロセスを経て採択された7件の研究発表、計9件の発表が行われました。

一人目の招待講演者であるIan Raid博士は、監視カメラなどの低解像度映像からおおまかな人物の視線・注視を推定するための手法として、HOGや色情報に基づく画像特徴とRandomized Fernsアルゴリズムを利用した顔向き識別手法を紹介しました。推定された顔向きの情報は、監視カメラ映像中に映る人物の注目領域の可視化やマルチカメラ監視システムにおける高解像度カメラの制御、人物間インタラクションの解析へ応用されています。

もう一人の招待講演者であるChen Yu准教授は、Human-Robot Interactionにおける視線情報の重要性について述べました。共通のタスクの元で、通常の人間同士や大人と子供、人間とロボット、人間とPC画面上のアバターなど、様々な組み合わせのインタラクションを記録し、視線を含む各種情報を計測・比較する実験の結果が紹介されました。人間とロボットのより自然なインタラクションを実現する上で非常に有用な知見が得られています。

また、本CREST研究課題参加グループからは、東京大学を中心としたYamadaらのグループが人物視点映像におけるVisual Saliencyモデルの注視予測性能に関する実験的評価結果を、埼玉大学のHoqueらのグループが視線情報を利用した人間とロボットのインタラクション提案に関する実験報告を行いました。

その他、Clemson Universityを中心としたDuchowskiらのグループは、ヒートマップ表現を利用した視線軌跡の識別手法を提案し、状況別(明示的なタスクの有無)および生成元別(人物の記録とVisual Saliencyマップからの疑似生成)の人物視線軌跡判別に関する実験結果を紹介しました。神戸大学のTakataniらのグループは、Active Appearance Modelを元にした単眼カメラベースの視線推定手法に関して、赤池情報量規準などに基づくパラメータ選択手法を導入することの有効性について報告しました。東京大学のOzturkらのグループは、テンプレートベースの人物の身体方向推定およびSIFT特徴量のフロー解析による顔方向推定の組み合わせによる低解像度映像からの視線推定手法を提案しました。千葉大学のYamauchiらは、ユーザの視線情報に応じてリアルタイムに輝度のマッピングを変化させるインタラクティブなハイダイナミックレンジ画像提示手法に関する報告を行いました。Chinese Academy of Scienceを中心としたChiらのグループは、Visual Saliencyマップやそれに類する複数のマップモデルに関して、注視点座標、および画面中の注視順序の予測性能に関する比較評価を行いました。

本ワークショップでは、視線のセンシングとインタラクションをテーマに、視線推定技術からロボティクス応用まで幅広い内容の研究発表及び情報共有を行いました。コンピュータビジョン分野の国際学会中でも特に高いレベルの研究成果発表が期待されるACCV2010との併催ということもあり、日本だけではなく世界各国から多くの発表者・参加者を集めることができました。当研究分野に対する高い関心を確認するとともに、現在行われている取り組みや共通して取り組むべき重要な課題に関して非常に重要な意見交換を行うことができ、当研究課題を進めるうえで大変有意義な成果が得られたと言えます。

「International Workshop on Gaze Sensing and Interactions」 開催報告_3

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