最新情報

JSTトピックス

「タンパク質の社会」に関する国際会議開催報告
−2010年09月13日(月)〜16日(木) ホテル日航奈良−

「タンパク質の社会」に関する国際会議開催報告_1 
「タンパク質の社会」に関する国際会議開催報告_2 

CREST研究課題「オルガネラ-ホメオスタシスと代謝調節・高次細胞機能制御」(研究代表者:藤木 幸夫 九州大学大学院理学研究院 教授、CREST研究領域「代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御基盤技術」)において、文部科学省特定領域研究「タンパク質の社会」および奈良先端科学技術大学院大学グローバルCOEプログラム「フロンティア生命科学グローバルプログラム - 生物の環境適応と生存の戦略 - 」との共催で、The 3rd International Symposium on Protein Community(第3回「タンパク質の社会」領域主催国際会議(ISPC-Nara2010)を平成22年9月13-16日の日程で、ホテル日航奈良にて開催しました。

参加者300名を超える大規模な会議となり、「タンパク質の社会」領域代表の名古屋大学・遠藤斗志也 教授による開会の辞に続いて、講演数47題(うち海外からの招聘演者19名)、ポスター発表137題を実施しました。

海外および国内の第一線で活躍している研究者により、タンパク質輸送局在化、品質管理と変性タンパク質応答、タンパク質折り畳みとシャペロン、タンパク質変性と疾患、タンパク質分解、およびオルガネラダイナミクスに大別された12セッションに及ぶ細胞機能制御に関わる広範な講演が行われ、活発な議論がなされました。なかでも、JST-CRESTセッションとして設けられたタンパク質輸送局在化機構に関する発表では、まず九州大学・藤木幸夫教授がペルオキシソームの生合成機構からそのホメオスタシスに至る最新の研究成果について発表しました。続いてドイツ ボッフム大学・Ralf Erdmann教授は、ペルオキシソームマトリクスタンパク質の膜透過機構について詳細な解析の結果を発表し、それに基づく新しい輸送機構モデルを提唱しました。米国NIHのRamanujan Hegde教授は、C-tail型膜タンパク質の小胞体への輸送機構とその品質管理について解説しました。兵庫県立大学・坂口雅郎教授は、トランスロコンを介した小胞体への新規合成タンパク質の輸送における正電荷残基の重要性について紹介しました。スウェーデン ストックホルム大学・Gunnar von Heijne教授は、小胞体局在化モデル膜タンパク質を用いて膜貫通ヘリックス部分の網羅的アミノ酸置換実験の結果を示し、小胞体への組み込みの選択性についての新たな知見を発表しました。

今回の国際シンポジウムでは、ドイツ ミュンヘン大学・Walter Neupert教授、ドイツ マックスプランク研究所・Ulrich Hartl教授や米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校・Peter Walter教授をはじめとして、各分野を代表する国際的第一級の研究者が一同に会した希有な国際会議となりました。その成果の一つとして、本CREST課題研究の推進と発展に寄与すべくタンパク質分解やシャペロンなどを含めたオルガネラホメオスタシスに関する多くの最新情報を収集、交換することができました。初日と二日目の午後には、137題のポスター発表を行い、ポスドクや大学院生など若手研究者と講演者、とくに海外招待者と熱心に討論する姿が見られました。なお、ポスター発表については4件の優秀発表を選出し、閉会式の折にポスター大賞として表彰されました。